第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第25話 沙の中の銀河:中編
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このままじゃあ調子が狂うぜ」
そう魔理沙は毒づき、言葉を続ける。
「なので、今から最近編み出したとっておきのスペルを見せてやるから覚悟するんだな!」
宣言し意気込む魔理沙に、今まで流れに乗る形であった勇美は血相を変えてしまう。──下手に自分のペースに引き込んだばかりに、相手に火を付ける羽目になってしまったようだ。
「お、お手柔らかにお願いしますぅ……」
「黙らっしゃい! 平気でパンチラしたりノーパンになりたがる恥女には調教……いや、お仕置きが必要なんだぜ!」
「ですよね〜」
こうなったのは自分が蒔いた種だと、勇美は納得するしかなかったようだ。
一方、そのやり取りを見ていたパチュリーは……。
「魔理沙……調教って……」
「貴方、何興奮してるのよ」
節操のないパチュリーに依姫は呆れながら突っ込みを入れる。
「いや、これは喘息が……ゲフンゲフン……」
普段は彼女を苦しめている持病を今回ばかりは都合良く盾にして、パチュリーはわざとらしく咳込んで見せた。
そんな不毛なやり取りをする外野をさておき、とうとう魔理沙は今まで見せた事の無い未知の領域へと足を踏み入れ始めていた。
その為の第一段階として、彼女はいかにも魔法使いの物とでも言うべき自前の帽子を頭から外したのだ。
当然勇美はその様子に訝った。
「……何ですか? 挨拶でもするんですか? あっ、分かった!」
そこで勇美は閃き、ポンと手を叩く。
「魔法少女なだけに、『あいさつの魔法少女』って事ですね♪」
「それで私は『ぽぽぽぽーん』とでも言うってか!? ふざけるな!」
魔理沙は憤慨した。自分は幻想郷では有名な部類だろうけど、あんな全国民が認知している程有名であってたまるかと。
「って違うわ! これを見ろ!」
そう言って魔理沙は脱いだ帽子からある物を取り出した。八角形の機械のような固形物──そう、彼女の弾幕に火力を生み出す源、『ミニ八卦炉』であった。
「これが噂の……」
思わず勇美は唾を飲み込む。彼女とて魔理沙が使う、それの力は重々認知していたからだ。
「あの子、勝負に出て来たわね。勇美、心しなさい」
「はい、分かっています」
依姫に注意を促され、勇美はそれに応えて気を引き締めた。
その間にも魔理沙の持つミニ八卦炉に光と熱が集束し、辺りに強い衝撃が走る。
「来ますか……『マスタースパーク』が!」
その魔理沙の代名詞たる『必殺技』の脅威を知っている勇美は身構える。
だが彼女は慌ててはいなかった。マスタースパークは威力は凄まじいが軌道は魔理沙の性格を表すが如く直線上なのだ。
だから例えば、瞬時にマーキュリーの力を借りて『エルメスの靴』の機動力で回避すれば十分に対処出来るだろうと勇美は踏んだのだ。
要はとあるSFアニメでの名台
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