第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第25話 沙の中の銀河:中編
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──このまま地面にぶつかったらもっと痛いだろうな。でも、それで勝負が着くから楽になれるという考え方も出来る。
──そこまで思った勇美はここで弾けるような刺激が頭の中を駆け巡り、意識が覚醒させられたのであった。
──忘れる所だった。自分は負けられない人間なんだと。それこそが自分がすべき復讐である事を勇美は思い出したのであった。
そして勇美の瞳に闘志の炎が灯ったのだ。先程の魔理沙と同様である。
そのまま勇美は心の中で神に呼び掛けた。早くしないと地面に激突してしまうので、急を要した。
(『天宇受売命』、私に力を貸して下さい。それはもう、手っ取り早く!)
等と、神に対する呼び掛けには些か無礼である形のものとなってしまったのだ。
しかし、相手はさすがは神というべきか、寛容にそれを受け止めたのだ。天宇受売命自身、実は破廉恥な神様である為に生まれた寛容さであったかも知れないが。
ともあれ、そういった天宇受売命の奥ゆかさにより勇美の思いは通じ、彼女に力が貸し出される事となる。
いつも通りに神の力を備えた機械が集束していく。しかし、いつもと違うのは、それが宙を舞う勇美の脚部に対してである事であった。
「……何が起こるんだぜ?」
それを見ていた魔理沙は暫しそう呆気に取られていたが、すぐに気を持ち直して意気込んだ。
「何をする気か知らないが好きにはさせないぜ!」
そう言って魔理沙は再び星の力のエンジンをフルスロットルさせた。──再度ブレイジングスターを繰り出す算段である。
再度鳴り響く星のエンジン駆動音。そして空気をも震わす振動。
今度ブレイジングスターを決められたら勇美は絶体絶命であろう。だが、流れは現在勇美に流れていたのだ。
「その技は威力と瞬発力は凄まじいんですけど、如何せん『溜め』に時間が掛かるんですよね」
「なっ!?」
突撃の力を充填している所へ相手から指摘を受け、意表を付かれてしまう魔理沙。だが勇美とてそれだけで終わらせる気はなかった。
「【脚力「ダンシングシューズ」】!」
その宣言の先には勇美がいた。──天宇受売命の力を受けた機械の靴を携えて跳び蹴りを放っている状態の。
「なっ、お前は私に吹っ飛ばされていた筈だぜ!?」
それが何故体勢を整えて自分に向かって蹴りを放っているのか解せない魔理沙。
「それはですね、この『ダンシングシューズ』の力で空中を蹴って体勢を立て直した訳なんですよね〜」
勇美は得意気に言いながら、その間にも魔理沙に飛び掛かっていた。
「くらえーーっ!」
そう叫びながら勇美はグイグイと魔理沙との距離を詰めていき、とうとう彼女に蹴りの一撃を決めたのだ。
一瞬にして衝撃がそこに走り──辺り一面にほとばしった。
「くうっ……」
その余りの激しさに端から見て
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