第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第24話 沙の中の銀河:前編
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込める。
すると彼女を中心に突風が巻き起こり、魔理沙は飛行を始めたのだ。これが彼女の十八番の戦闘スタイルである。
「お前は相手の攻撃を切り崩すスタイルが得意だったな?」
「ええ? はい」
宙に浮かぶ魔理沙から突然質問を投げ掛けられて、勇美は少々驚いて返答をする。そして、自分の今の戦闘スタイルについて心の中で自問自答した。
──確かに、神降ろしの力を借りてからの自分の流儀は相手の攻撃をかいくぐるようなものとなっていたのだ。
これは依姫の影響が大きいだろう。勇美は依姫とは被らないような手段を取っているつもりでも、敬愛する人に知らず知らずの内に似通ってしまっていたという事だろう。
そんな思いを脳内で馳せている所へ再び魔理沙の声が掛かってきた。
「だから、ハンデとして私からいくぜ!」
「……」
今度はその魔理沙の言葉に勇美は反論しなかった。何度も相手の挑発に乗ってペースを乱していては相手の思うつぼであるからだ。多少の悔しさは喉の奥に飲み込んで、勇美は強敵を迎え撃つ姿勢を取るのであった。
そして魔理沙は更に一際高く飛び上がるとスペルカードを宣言するのであった。
「先手必勝! 【魔符「スターダストレヴァリエ」】!」
続いて魔理沙から星の雨あられが放出された。
これは勇美も見覚えのある攻撃であった。だから、心の準備は出来ていたのだ。だが。
(でも、どう対処しよう……)
そう勇美は悩むのであった。依姫は月の大気の性質を利用して弾幕の流れを操作して難なくいなしていたが、生憎ここは月ではないのだ。
──いや、例え月であっても到底自分には依姫のような芸当は出来ないであろう。
そう思い直した勇美は、自分に出来るやり方でこの状況を打破しようという結論に至ったのだ。
そして、相手は幻想郷でも有数の実力者の魔理沙。『最初は……』という考えでは通用しないと考えた勇美は出し惜しみする事はナンセンスだと結論づけて行動に踏み切った。
(『天津甕星』様に『金山彦命』、私に力を)
そして勇美の手にはSF映画で登場するような様相の機関銃が握られた。そしてスペルを宣言する。
「【星蒔「クェーサースプラッシュ」】!」
そう叫び勇美は機関銃の引き金を引いた。
これはレミリアと戦った時に見せた『プレアデスブレット』の発展系として見せた技である。
そのような所謂上位の技をいきなり見せるのは無謀かも知れない。だが、出し惜しみしていては目の前の相手である魔理沙には太刀打ち出来ないだろうと勇美は思っての事であった。
そしてシャリシャリと小気味良い音を連続で出しながら勇美も星の弾幕を繰り出していったのだ。
それらが向かう先は魔理沙が放った星である。次々にぶつかって行くと一つ、また一つと断続的に爆ぜ続けていった。
パンパンとポ
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