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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第24話 沙の中の銀河:前編
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言葉を聞いて勇美は考え込んだ。
「私の復讐に必要……」
 そして勇美はその言葉を頭の中で反芻する。
 言われてみると、確かに理解出来るような気もする。
 今までの人生で母親から受けた仕打ちに抗い、何か事を成すには綺麗事だけでは成り立たないだろう。
 とにかく母親のしがらみに打ち勝つだけのエネルギーが必要なのである。その為には大人しく謙虚になどはしてはいられないだろう。
 その事を考慮して、依姫は答えを出したのだろう。その彼女の計らいを勇美は無駄にはしてはいけないと思った。
「欲する事……、確かに私には必要ですね」
 勇美はその言葉を噛み締め、自分の気持ちに馴染ませた。そして慧音に向き直り、言った。
「慧音先生からの賃金、是非とも私に下さい!」
「よく言った!」
 慧音も勇美が依姫とやり取りする一部始終を見届けていたのだ。そして答えを出した勇美を労い、彼女の手にお金を渡したのだった。
「勇美、お前なら大丈夫だと思うが、くれぐれも無駄遣いはするんじゃないぞ」
「はい、分かっています」
 勿論勇美はこのお金を無駄遣いしようなどとは断じて思う事は無かったのだ。何せ依姫の後押しに慧音の計らい、そして自分自身の気持ちの踏み切りと、色々な想いが詰まった貴重な結晶なのだから。
 そうして様々な気持ちのこもった報酬を受け取ると、依姫と共に上白沢家を後にするのだった。

◇ ◇ ◇

 そして、勇美にとって貴重な一歩を踏み出す事になった特別授業の日から幾日が過ぎていた。
 彼女と依姫が今いるのは紅魔館に存在する図書館にいる所であった。
 ここには貴重な書物がたくさんあるので、二人とも勉強と知的欲求を満たすのを兼ねて度々この場所を訪れていたのだ。
 日光を極限まで遮っている紅魔館の中の図書館だけあって薄暗く、ここで生活するには難儀な場所であるが、極端に長時間滞在するのでなければその造りも読書を捗らせるには程よい刺激と癒やしを与えてくれる要素となるのだ。
 だが、二人と一緒に今読書に浸っているここの常連は長時間の滞在でも苦痛にならない程、この図書館に色々なものが『適合』してしまった存在なのであるが。
 その存在は髪の色も帽子もパジャマのような服も全身紫づくめの──通称『動かない大図書館』の種族:魔法使い、パチュリー・ノーレッジその人であった。
 彼女は黙々と読書をしていたが、珍しく彼女から話しかけるという事をしたのだ。それだけ勇美と依姫は読書仲間という事でパチュリーと仲良くなっていた証拠であった。
「突然柄にもない事言うけど、嬉しいわね。あなたたちのような同志が出来るなんてね」
 いつものようにあっさりと冷めたような振る舞いの元言った言葉であったが、パチュリーと親しい者が聞いていたら彼女がやや照れている事実を見抜いていた事であろ
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