第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第23話 勇美と恐竜:後編
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大切にしないといけないと思っただけよ」
「そうですかぁ〜♪」
否定する依姫に対して、尚も勇美はニヤニヤしながら食い付いた。
「そんな事言ってる余裕があるのかしら?」
「うん、ないと思う」
勇美は依姫を追い詰めているかに見える状況にいながらそう答えた。彼女の元で修行に明け暮れる勇美だからこそ、肌で感じ取る事が出来るのだった。
「いい答えね」
そう依姫は言うと、次なる手を打つべく身構えた。
「『火雷神』よ、我にその力を!」
そして依姫はこの状況を打破すべく神を降ろした。
そして異変はすぐに現れた。この広場の周囲の空の雲行きが怪しくなったのだ。
「みんな、これを差すように」
その最中、慧音は生徒達に傘を配り始めたのだ。それが生徒達全員に行き渡った時、生徒の一人が疑問の声を上げた。
「先生、何で傘が必要なんですか?」
「すぐに分かるさ」
そう慧音が答えてすぐに、それは起こった。
ポツポツという間もなく、降り注ぐように雨が辺りを包んだのだった。
「【神嵐「猛き獅子の如き心」】!」
そこへ依姫はこのスペルの名前を宣言したのだった。
そして降り注ぐ雨あられは戦いの場一面へと広がったのだ。
「うっ、さすがは火雷神の雨ですね。でも、それで何を狙うのですか?」
確かに勇美の言う通りであった。いくら協力な雨風といえど、それだけでは勝負に影響はしないだろうという事であった。
そう指摘されて、依姫は不敵に笑った。
「分からないかしら?」
その振る舞いを見て、勇美は思わず背筋がぞっとしてしまった。そして辺りをよく確認してみる。
降り注ぐ火雷神の雨。それに激しく打たれて……地面が徐々に抉られていたのだ。
「……もしかして?」
「気付いたようね」
呟く勇美に対して、依姫は言う。その先には地面を抉られた事により顔を見せ始めたランド・ショニサウルスの姿があった。
「いくら地面に潜って渦に飲み込む事が出来ると言えども、その地面を対処してしまえばいい事よ」
得意気に言う依姫。確かにそうだ。例え優れた鉄板があれど、焼き肉のように食材を取り上げられてしまえば役に立たないのである。
そして、とうとうランド・ショニサウルスは地面の上に打ち上げられてしまったのだった。機械で構成された身体であるが、心なしか目を回しているかのようであった。
「マッく〜ん!!」
その光景を目にして勇美は慌てふためいた。
「もうこれで十分のようね」
そう言って依姫は火雷神の力を解除した。 瞬く間に雨は引いて、快晴の空が再び姿を現したのだった。
「くぅぅ〜……」
項垂れる勇美。無理もないだろう。折角攻勢で攻めていると思っていた所にこれであったのだから。
「これで終わりかしら?」
そこへ依姫が挑発的にのたまう。
「
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