第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第22話 勇美と恐竜:前編
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ね」
教壇の前に立つ等とは初めての事なのに、勇美は手慣れた様子で生徒達に指示を出していく。
「う〜ん、何だか話が見えて来ないけど……」
「勇美お姉ちゃんのやる事に任せておけば大丈夫かな?」
口々に生徒はそう言い合う。
その様子を見ていた依姫は素直に感心していた。
「さすがね勇美。子供達をこうも簡単に扇動するなんて」
「いえ、元から里の子供達とは仲が良かっただけですよ」
「それでも見事だわ」
依姫は自分に余りないものを潔く認める。
「うむ、勇美のこういう所、私も見習う所があると思うぞ」
慧音も依姫と同じ考えであった。
「お二人にそう言われると照れちゃいますよ、今夜のオカズに使えそうです」
嬉しさの余りそう漏らす勇美。だがそれがいけなかった。
「勇美、そういう下品な発言は……」
「やめないか」
すかさず依姫は勇美にチョップをかまし、慧音は得意の頭突きを綺麗に決めた。
「あだ〜〜〜〜お二人こそ子供達の前で暴力はいけませんよ〜」
涙目で訴える勇美。
「じゃがしい! そもそも言いだしっぺのお前が悪い」
「それに暴力反対を盾に取って自分を守ろうなんて姑息よ」
対する慧音も依姫も引かなかった。
「それにしてもお二人とも息が合っていますね♪」
頭への攻撃の痛みも治まり、勇美は二人の様子を茶化した。
「そう言われてみれば……」
「そうだな」
改めて二人は思った。やはり似た性格故だろうかと。
「まあ、その話は一旦置いてだな」
「頼むわよ、勇美」
そう言って慧音と依姫は勇美に期待を込めて言う。勇美こそ今回の特別授業を成功させるためのキーパーソンなのだから。
「はい、任せておいて下さい!」
勇美は得意気に言うのだった。
◇ ◇ ◇
そして、勇美達三人は生徒達を連れて人里の広場まで来たのだ。丁度以前阿求との風変りな弾幕ごっこを繰り広げた場所であった。
「これで全員来ていますね」
念の為、依姫は生徒に呼び掛ける。
「は〜い!」
生徒達が元気に答える。元から素直な子供達という事もあるが、突然屋外へ出るという空気の変動っぷりに皆心が躍っている状態なのであった。
「それでは始めますよ、見ていて下さい」
生徒達に依姫は言う。
「先生〜、何を始めるんですか〜?」
当然生徒達から疑問の声が上がる。
(先生……)
そう自分を呼ばれた依姫は心の中で歓喜の声を上げた。これがものを教える者としての喜びであるのかと。
それにより一瞬緩む依姫の心。だが彼女はここで浮かれてはいけないと、自分の気を引き締めた。
「それはですね、神霊の力を借りた実戦を皆さんに見てもらおうというものです。それがこの特別授業の締めという訳です」
そして、依姫は勇美に呼び掛ける。
「勇美、準備は
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