第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第22話 勇美と恐竜:前編
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たのだ。
そこにいたのは他でもない、特徴的な頭の弁当b……もとい帽子の凛々しい姿の女性、上白沢慧音その人であった。
「よく来てくれた、依姫殿」
慧音は約束を守ってくれた依姫を労い握手をした。
だが、彼女の頭には疑問が浮かんでいた。
「で、何故勇美もこの場にいるんだ?」
そう言って慧音は首を傾げた。
「それは、後でのお楽しみですよ♪」
「そうか……」
慧音は勇美の意図する事が読めずに訝しがりながらも、彼女の同行を容認するのであった。
「それで、依姫殿。頼みましたぞ」
「分かりました。任せておいて下さい」
そう確認し合う依姫と慧音。
「頑張って下さいね。私は後から参りますから」
そこに勇美も声を掛けたのだった。
◇ ◇ ◇
そして、いざ依姫は慧音に連れられて寺子屋の教室の教壇の前まで連れてこられたのだ。
(ここが教室という物ね……緊張するわ)
そう、依姫とて初めての体験には緊張が付きまとうのであった。
月での弾幕ごっこは実に平静を装って行われていたかのように見えたものであるが、あくまで玉兎の前で『装っていた』だけで実際は多少なりとも緊張はあったものであるのだ。
そして、寺子屋で初めての顔である依姫は、当然子供達からは珍しい物を見る目で見られたのである。
「あ、初めて見る人だ〜」
「きれいなおねえちゃんだ〜」
「あのポニーテール、クンカクンカしたいお〜」
それを聞きながら、依姫はやはり子供は無邪気でいいものであると噛み締めるのだった。最後の発言は余り頂けないと思いながらも。
「みんな、静かにするんだ」
そこへ慧音はパンパンと手を叩いて生徒達に静まるように促した。
「慧音せんせ〜、その人誰なんですか〜」
生徒の一人が当然疑問に思った事を口にする。
「まあ、そう焦るな。ちゃんと説明するからな」
そう言って慧音は咳払い一つをした。
そして、彼女が何者であるか説明していく。
「この方は今回特別講師としておいでになってくれた、綿月依姫先生であるぞ」
「よろしくね」
慧音に紹介されて、依姫は普段は余り見せない柔らかな笑顔で生徒達に向き合ったのだ。
少し彼女らしくない行為であるが、今回この授業限りだと思えば何て事はない。
(うん……見事に私らしくなくて落ち着かないわ)
何て事はない……のである。
だが、依姫はこの時慧音に感謝していた。それは依姫を紹介する時に、彼女が月人である事を言わなかった事に対してである。子供達にいらない不安を与えない配慮、素晴らしいものだと依姫は思うのだった。
そして、彼女は教壇に登り生徒達に挨拶をし始めた。
「私は今回慧音先生に特別講師として呼ばれた、綿月依姫と言います。皆さん、よろしくね」
ニッコリ微笑みながら依姫は自己
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