第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第22話 勇美と恐竜:前編
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た仲に違いはないのだ。
そして慧音は続ける。
「今回そなたと話をしたのは、何を隠そうその事なのだよ。そなたの力を見込んで子供達が喜んで学ぶ事に意欲的になるような特別授業をしてはくれないだろうか?」
そう言って慧音は依姫に対して頭を下げた。
「分かりました。力を貸しましょう。私にどこまで出来るか分かりませんが」
「かたじけない」
そうして依姫と慧音の対談は終わったのだった。
◇ ◇ ◇
「と、そんな話を慧音さんとしてきた訳よ」
永遠亭に戻って来た依姫は勇美にそう告げた。
「成る程、子供達の学ぶ気を高めるような特別授業ですか」
そう呟く勇美。この事は直接彼女には関係ないように思えたが。
「私にいい考えがありますよ!」
勇美は意気揚々とそう返したのだった。
それを聞いて依姫は訝った。
「この問題は貴方には関係ないから気を遣わなくていいのよ」
そもそも依姫は自分だけの問題として慧音の話を受けたのだ。今回勇美は関係ないのである。
だが、勇美は引き下がらない。
「いえ、ちょっと試してみたい事が最近出来ましたから」
そう言う勇美。それはどうやら紅魔館に招待されて以降、そこの図書館に通い詰めるようになった事が原因のようだ。
「……勇美がそう言うならお願いしてみようかしら」
「やったー♪」
とうとう折れた依姫に対して嬉しくなる勇美であった。
「それじゃあ、これから私が考えた特別授業の打ち合わせをしないといけないですね」
「そうね、お手柔らかに」
そして二人は来たる特別授業に備えて、綿密に打ち合わせをするのだった。
ちなみに、その内容は永琳と輝夜に筒抜けであった。月の頭脳たる八意永琳に隠し事など不可能なのである。
「これは面白そうになりそうね、さすがは私の弟子をなのっている依姫の事はあるわね」
「今回の場合、勇美の発想が一番すごいんじゃないかしら?」
コーヒータイムをたしなみながら、二人は実に楽しそうに言った。
「これはあの二人が揃ったが故の化学反応って所ね」
「さすが永琳ね。言う事が科学者らしいわ」
そう永琳を茶化しながらころころと笑う輝夜であった。
「お楽しみは最後まで取って置かないとね……」
そう永琳は意味ありげな言葉を呟いた。
◇ ◇ ◇
そして、勇美と依姫による特別授業の日がとうとう来たのであった。二人は今、慧音が営む寺子屋の前にいた。
「それじゃあ、裏口から入りましょう」
「そうですね」
それがどかどか他人が集まる場所へ踏み込まない礼儀だからだ。例外的に、例えばデ○ーズでは従業員も客の目線で店内を見るべく正面から入らなくてはいけないルールが設けられているが、これは余談であろう。
そして、二人は寺子屋の裏口から慧音を訪ねるべく入っていっ
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