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ヘタリア学園
第三百九十七話  フルボッコにされたうえに

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第三百九十七話  フルボッコにされたうえに
「来たんですよ、あの人が」
「ロシアさんですか」
「不幸なことにそうなんです」
 日本に対して答える言葉がさらに暗いものになっています。このエストニアだけでなくリトアニアにしろラトビアにしろ同じですけれど。特にラトビアは。
「スウェーデンさんがロシアさんと派手な戦争をはじめて」
「確かあの辺りで一度物凄い戦争があったそうですね」
「ええ。北方戦争です」
 あの時のことを思い出したエストニアの表情が暗澹たるものになっています。よく見ればラトビアの顔はもっと悲惨なものになっています。
「デンマークさんやノルウェーさんまで来て」
「そしてその結果はどうなったのですか?」
「・・・・・・ロシアさんのお家に入れてもらいました」
 入れて『もらいました』と言っていますが実際は。もう壮絶なものだったのです。話している本人も言葉が詰まってしまう位に。
「それからはずっと」
「それで今なんですね」
「気付いたらまたロシアさんのお家にいたってこともありましたし」 
 一回独立できたことがあります。けれどそれはすぐに消えてしまいましたが。
「今もどうなるか」
「だからドイツさんのところにお世話になりましょうよ」
 横からラトビアが泣きそうな顔で言います。
「こんな生活何時まで続くんですか?本当に」
「是非韓国君と場所を交換して欲しいんですけれど」
 さりげなく夢も言っています。とにかく不幸なことは一通り経験してしまっているエストニアでありました。世の中は時として不公平であります。


第三百九十七話   完


                                    2008・10・16

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