第四章
[8]前話
「そうした作品だって思ってな」
「それで、だよな」
「読んで観てな」
「そうして楽しむ作品だな」
「そうして読んだり観ていいな」
「主人公の無敵さ笑うか」
「そのハーレムぶりも」
このこともというのだ。
「全員絵に描いたみたいなチョロインばかりだしな」
「作者女の子と付き合ったことないな」
実は図星であった。
「それも透けて見えるしな」
「ツンデレとかクーデレとかもテンプレばっかだし」
「お嬢様キャラも」
「そういうの笑ってな」
「そうして読んで観るか」
「ギャグとして」
「そうするか」
こうした話をしてだった、宮城のその作品を読んでいった。そうして作品は好評であった。そうして。
宮城はネットでの自分の作品特に主人公のそれを目にして編集者に言った。
「僕の作品もう無敵主人公とか」
「言われていますね」
編集者もあっさりとした口調で答えた。
「最強過ぎると」
「ハーレムで問題何でも解決するとか」
「主人公だけの作品とか」
「そう言われてますね、ファンレターでも」
こちらでもだった、尚アンチの手紙は編集部が止めている。
「そんな風なこと書かれていて」
「そうですね、ですが」
編集者はさらに言った。
「それでもです」
「それでもっていいますと」
「かえってそれが別の意味で人気が出て」
それでというのだ。
「作品は売れてアニメも二期決定しましたし」
「それならですか」
「いいのではないでしょうか」
「そうですか」
「結局は読まれて売れれば」
それでというのだ。
「別の意味であっても評価されますと」
「高評価ならですね」
「作品としていいかと」
「まあ僕もお金かなり入ってますし」
「左様ですね」
「ならですか」
「作品の評価は気にされても」
それでもというのだ。
「気にされないで下さい」
「それでは」
「これからも書かれて下さい」
「作品が売れるか終わるまで」
「そうされて下さい」
「わかりました、まあ不満は思ってますけれど」
自分はシリアスで書いているのに白けられてそこからギャグとして読まれていることにだ、宮城は作者としてこのことを感じていた。
だがそれでもだ、売れているならとだ。彼はこうも思って話した。
「お金入ってますしね」
「では」
「それでいきます」
「それでは」
二人でこう話してだ、そのうえでだった。
宮城は今度は仕事の打ち合わせに入った、作風も主人公の書き方も同じだった。そしてそれがまた売れるのだった。ギャグ作品として。しかしそれでも彼は売れるならいいと思った。不満はあっても。
万能主人公 完
2019・12・20
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