愛娘
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と交換してくれるだろうけど…きっとムリだと思うな!」
「…なぁリュカさん…親娘の会話として、今のは正しいのか?…父親として、『パンツと物々交換』なんて話題を出した娘を、叱るべきではないのかな?」
ウルフが少し脅えながらも、リュカに突っ込みを入れてくれた…その場にいた誰もが思っていた突っ込みを!
「ん?う〜ん…そう言う方面の事で、僕が叱っても…説得力が無い!」
「あぁ……自覚はされてるんですね……少し安心しました…」
「ともかく近くに来たのですから、一度寄ってみましょうよ!」
幾ばくかの沈黙か続いたが、マリーの明るい声が沈黙を破った。
「でも…その幽霊船と遭遇する事に意味はあるの?正直、無意味な事に時間を割いている余裕は無いのよ、私達!」
アルルが少しきつめの口調で、マリーの提案に疑問を抱く。
「む、無駄かどうかは分からないじゃないですか!死して尚、現世に現れるなんて相当の思いが込められてると思いますわ!もしかしたら、魔王討伐に何らかの影響があるかも知れないじゃないですか!」
「………そんな確証があるの?」
「………ありませんですぅ…」
「じゃぁ「まぁまぁ、アルル!」
悲しそうに俯くマリーを助けたのはリュカだった。
「バラモス討伐を急ぐ気持ちは解るけど、無駄かどうかは断言出来ないだろ!?後日に幽霊船を見つけておいて良かったって時が、来るかもしれないじゃん!」
「しかしリュカさん…」
アルルの反論を手で制し、真面目な表情で語りかけるリュカ。
「アルルの言いたい事は分かる…僕が娘のお願いだから、幽霊船を探そうとしていると言いたいんだよね…」
アルルは黙って頷くだけ…
「うん…それは否定しないよ。でも、僕の言っている事は間違っているかな?もし幽霊船にオーブがあったらどうする?後日その事に気付いても手遅れかもしれないよ…」
「………分かりました!グリンラッドへ寄りましょう!」
リュカの優しい瞳に騙される様な形で承諾するアルル…
「お父様ぁ…ありがとうございますぅ!」
何時もの様に明るい口調でリュカにお礼を言うマリー。
そのマリーの頬にキスをしてその場を立ち去るリュカ…
皆がリュカの動きを目で追っていたのだが、ウルフだけはマリーから目が離せないでいた。
頬にキスをされた時、リュカに何かを言われ青ざめ固まるマリーに…
何を言われたのかは聞こえなかった。
マリーにもリュカにも聞く事は出来ない…聞いても答えないのは明白だ!
少しの間、悩み続けるマリーを見つめていた。
ウルフの視線に気付きマリーが顔を上げた時、既に何時ものマリーに戻っており、屈託のない笑顔でウルフに抱き付いてくる。
「幽霊船…楽しみですぅ!」
何時もの笑顔…何時もの口調…
今後マリーから目が離せなくなるウルフ…
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