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不敗将軍
第二章
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「そして潔癖でありだ」
「腐敗を忌み嫌うな」
「素晴らしい人物だ」
 そう思うというのだ。
「だから私はだ」
「彼を認めてか」
「親しくさせてもらっている」
「そうしているか」
「そこは好き嫌いだ、だが私は」
 ネイはというのだ。
「あくまでだ」
「彼を友人としてか」
「敬愛している、彼はフランス第一の将軍であり」
 そしてというのだ。
「素晴らしい、誰にも負けない男だ」
「誰にもか」
「彼が負けることは決してない」
 こう言い切ってだった、ネイはダヴーの友人であり続けた。
 ダヴーはプロイセンとの戦いでは勝敗を決定付ける活躍を見せベルリンにも第一に入城した、ナポレオンもその功績を認めた。
 だがそのことに奢らずあくまで実直に任務を行い続けた、それはイギリスが生み出してきていた機械の様であり。
 イギリスの将軍達もこう話していた。
「皇帝ナポレオンも手強いが」
「ダヴー将軍も問題だな」
「彼がいる場所は攻められない」
「とてもな」
 こう言っていた、それでイギリス軍も彼を警戒していた。
 その中でナポレオンはロシアを攻めたがこれは無残な失敗に終わった、するとダヴーはハンブルグを拠点にエルベ河下流域の防衛を任じられたが。
 そこを攻める諸国軍の者達は驚嘆するしかなかった。
「もうフランス軍は潰走したぞ」
「残っているのは彼の軍勢だけだ」
「それで何故だ」
「何故彼は降伏しない」
「何時まで戦い続けるのだ」
 こう言っていた、そしてダヴー自身も。
 自ら前線に出て兵達を指揮しつつ言うのだった。
「退くことは許さない」
「あくまでここで、ですね」
「ここで戦い続けますね」
「敵を通しませんね」
「我々は既に孤立しているが」
 敵軍の中にそうなっているが、というのだ。
「しかしフランスは降伏していない」
「だからですね」
「このまま戦っていきますね」
「そうしていきますね」
「そうだ、臆することはないしだ」
 それにというのだ。
「降ることは許さない」
「わかっています」
「将軍の言われることですから」
 兵士達は知っていた、かつてダヴーが革命の時に裏切ろうとした上官を砲撃しようとさえしたことを。彼は自分にも他人にも非常に厳しいのだ。
 それにダヴーは言ったことは必ず守る、その人格も知っているからだ。兵士達は確かに彼の下にはいたくなかったがそれでも戦い続けた。
 ダヴーは孤立しつつも戦い続けた、それは何と。
「皇帝は退位したぞ」
「それでもか」
「ダヴ―将軍は戦うのか」
「あくまで皇帝に忠誠を尽くすか」
「そうして戦うのか」
「恐ろしい男だ」
 こうした言葉も出た。
「やはりフランス第一の将軍だ」
「忠誠心も見事だ」
「ああした将軍が我が国にい
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