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ヘタリア学園
第三百九十三話  狼は噛みます

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第三百九十三話  狼は噛みます
「タリンもいいですけれど他にもお勧めの場所があるんですよ」
「そこは一体何処ですか?」
 エストニアの日本案内は続いています。後ろではラトビアも楽しく過ごしています。何気に不幸なオーラが漂っているのは本人だけが気付いていません。
「ヒーウマー島といいまして。とてものどかでいい場所ですよ」
「ヒーウマー島ですか」
「日本さんにわかり易く言うとエストニアの北海道ですね」
 確かに日本にとってはわかり易い言葉です。北海道といえばのどか、日本の中ではこうインプットされています。エストニアもそれがわかっての表現です。
 けれど二人は気付いていませんでした。ラトビアもいることに。彼が不幸を招き寄せてしまう体質なのはわかっていても。
「それにここは名物の動物もいますよ」
「鹿か何かですか?」
「狼です」
 中々格好いいのが出て来ました。
「もう珍しくなった野生の狼がいてですね。少し周りを見れば」
「あれですね」
「そうあれです・・・・・・って」
 草の集まりを覗いていたラトビアが頭から噛まれていました。その野生の狼に。
「ラトビアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「大丈夫です。狼は人を食べませんから」
「そういうことじゃなくてやっぱりこんなオチなの、僕達って!」
「うう、もうこんな生活嫌です・・・・・・」
 頭から噛まれながら泣くラトビアでした。珍しい野生の狼に噛まれるとは。彼の不運はどうも桁外れのもののようです。


第三百九十三話   完


                                     2008・10・14
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