第三章
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「今日来られています」
「この神社に」
「そうですけれど」
「はい、ですが」
それでもとだ、巫女は彼に話した。
「今日は日差しが強いので」
「日差し?」
「ですから」
それでとだ、巫女は池山にさらに話した。
「文並さんは今は」
「外に出てないんですか」
「色素がないと」
どうしてもというのだ。
「強い日差しが駄目なんです」
「そうなんですか」
「はい、私達は色素がありますので」
それでというのだ。
「強い日差しも大丈夫ですが」
「それでもですか」
「色素がないと」
そうした身体ではというのだ。
「どうしてもです」
「日差しに弱いんですね」
「はい」
実際にというの返事だった。
「そうした体質です」
「そうでしたか」
「そして」
「そして?」
「日差しを浴びると火傷するんです」
色素がないと、というのだ。
「本当に大変なんです」
「そういえば」
池山は巫女のその言葉に気付いたことがあった、それでそのうえで巫女に対してこう言ったのだった。
「日焼けも」
「火傷ですね」
「そうでしたね」
「軽い火傷です」
「そうでしたね」
「若しも」
それこそというのだ。
「色素がなくて普通の人みたいに日差しを浴びると」
「日焼けどころかですね」
「火傷になります」
「日焼けも過ぎると肌がヒリヒリしますが」
そして痛くなるのだ、池山も海で遊んだりした時に経験があることだ。
「それと一緒ですね」
「ですから日焼け止めクリームも」
こちらもというのだ。
「必要です」
「普通の人よりも」
「そうですし」
彼女はというのだ。
「ですから」
「本当に大変なんですね」
「そうなのです」
「そうでしたか、何か」
ここまで聞いてだった、池山は深く考える顔になって話した。
「実はどんな娘か興味本位で来ましたけれど」
「お会いにですね」
「大変なんですね」
「他のところは特に」
色素がなくて日差しに弱いことを除けばというのだ。
「何もないです」
「そうですか」
「屋内では普通に行動出来て体力も運動神経も普通で」
そうしたところは問題がないというのだ。
「性格もいい娘ですよ」
「本当に変わりないんですね」
「そうなのです」
「じゃああれですか」
ここでだ、池山はまた思い出したことがあった。そしてそのことも巫女に対して考える顔で話した。
「身体の特徴ですね」
「彼女の」
「そういうことですね」
「言うなら個性です」
それになるとだ、巫女も池山に答えた。
「誰にもありますね」
「俺だと口が尖ってて目が細いです」
あと実はまだ十代だが髭が濃くて毎朝剃っているがこのことはコンプレックスなので誰にも言っていない。
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