第六章
[8]前話
「私は読んでいませんが」
「そうですの」
「純文学は読まないので」
ここでもメグの地が出ていた。
「ですから」
「そうですの」
「はい、ですがあらすじは知っています」
これ自体はというのだ。
「子供の頃絵本の方で読みましたので」
「それで、ですのね」
「はい、あの作品でもそれぞれの地が出ましたし」
「今のわたくし達の様にしても」
「わかるものはわかるのです」
「そういうことですのね」
「はい、では」
ここまで話してだ、メグはエリザベスに言った。
「戻りますか」
「普段のわたくし達にですわね」
「お嬢様はお嬢様で私は私で」
主に淡々とした口調で述べた。
「そうなりましょう」
「では、ただ」
「ただといいますと」
「そういえばメイドの服を着ましても」
エリザベスはその時のことも話した。
「しっくりときませんでしたわ」
「私もです、やはりそれぞれの場所がです」
「一番ですのね」
「そういうことなのでしょう」
こう言ってだった、二人はそれぞれの元の姿に戻ったが。
ここでエリザベスは服を交換した時に見たお互いの下着姿についてこんなことも言った。
「貴女の下着は」
「何でしょうか」
「上下共にピンクですけれど」
「お嬢様もですね」
「下着の趣味は同じですのね」
「お嬢様は白やピンクがお好きですね」
「清潔なものや可愛いものが」
こうメグに答えた。
「やはり」
「私もです」
「そこは同じですの」
「はい、ただ」
「ただ?」
「お嬢様の下着は高価なもので私のものは普通にお店で売っているものです」
「色は同じでもですのね」
エリザベスはメグの言葉にこのことでも応えた。
「違いますのね」
「はい、そしてどうも」
「どうもといいますと」
「着けている下着によってもです」
「まさか」
「そのまさかで色々出るそうです」
エリザベスにここでも淡々と話した。
「いい下着を着けていますと」
「その分ですの」
「脱いでも凄いという意識があって」
「わたくしそうした意識はありませんが」
「ですがいい下着を着けていますと」
「出ますの」
「その様です」
主にこのことも話した、そうしてだった。
二人は完全にお互いの姿に戻った、そして以後入れ替わることはしなかった。エリザベスがお互いのことがわかったからこそ。
入れ替わり 完
2020・1・19
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