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入れ替わり
第三章

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 屋敷の執事がすぐに二人に言った。
「何の遊びでしょうか」
「遊びといいますと」
 メグに化けているエリザベスが応えた。
「一体」
「はい、お嬢様がメイドになられて」
 そのエリザベスに言うのだった。
「メグ嬢がドレスを着られて髪の色も目の色も変えられていますが」
「いえ、わたくしは」
「はい、言葉使いが違います」
 執事は自分の喋り方で言うエリザベスに答えた。
「というか一目で、です」
「わかりましたの」
「左様です」
「まあリチャードさんは長年当家に仕えてくれていますので」
 エリザベスは我を取り戻して執事の名前も出して述べた。
「わたくし達の違いもわかりますわね」
「いえ、違います」
 メグはここでも二人に話した。
「それは」
「といいますと」
「リチャードさん以外の方もです」
「ではお兄様やエドワードも」
 エリザベスは今屋敷にいる兄弟のことも思い出した。
「まさか」
「はい、他のお屋敷の方々も」
 彼等もというのだ。
「すぐにわかります」
「まさか」
「それもお会いになればわかります」
 メグは今も冷静だった、そして。
 主と二人で屋敷の中を入れ替わったまま歩いているとだった、エリザベスの兄も弟も屋敷のメイドや使用人達もだった。
 皆エリザベスに何の遊びかと言って入れ替わっていることを見抜いてきた、一目でわからない者は屋敷の中にはいなかった。
 それは屋敷エリザベスが可愛がっているコリー犬のアーサーもスコティッシュフォールドのグィネヴィアもだった、メグがエリザベスの恰好をしていてもすぐにメグの恰好をしているエリザベスの方に来た。
 それでだ、エリザベスは自分の部屋に戻ってからメグに真剣な顔で問うた。
「何故どなたもわかったのでしょうか」
「アーサーもグィネヴィアもですね」
「お兄様もエドワードも」
「お屋敷の方々全員が」
「わたくし達は完璧に入れ替わったのに」
「外見はです」
 それはとだ、メグは主に話した。
「確かに完璧に入れ替わっています」
「そうですわね」
「声も」
「それも同じですわね」
「はい、ですが」
「ですが、ですか」
「そうです、お嬢様は代々の貴族で受けてこられている教育もです」
 メグはこのことを指摘した。
「違います」
「そういえば」
「今も大学で学ばれていますね」
「文学を」
「そしてマナーや礼儀作法も。ご趣味も」
 これもというのだ。
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