第一章
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入れ替わり
エリザベス=デューダーはイギリスの伯爵家の令嬢である、爵位だけでなく家は食品販売でかなりの利益をあげていて資産家としても知られている。バーミンガム近郊の見事な屋敷に住み家には多くの使用人達がいる。
エリザベスは屋敷の使用人達にとって自慢のお嬢様であり容姿端麗眉目秀麗文武両道にして人格円満という非の打ちどころのない少女だった。
それで特にお付きのメイドであるメグ=テイラーと親しかった。だが。
エリザベスはよくメグの顔を見てこんなことを言った。
「いつも思うことですけれど」
「お嬢様と私はですね」
「ええ、髪の毛の色は違いますわ」
エリザベスは見事なブロンドでメグは奇麗な茶色である。二人共ロングヘアにしていて長さも同じ位だ。
「それは」
「そして目の色も」
「わたくしの目は青で」
「私の目は緑です」
二人の目の色はそれぞれそうなっていた。
だがここでだ、エリザベスはいつも言うのだ。
「ですがお顔立ちは」
「そっくりですね」
「ええ、まさか」
「はい、血縁関係はないですから」
そこはメグは否定した。
「お嬢様はこのバーミンガム出身で」
「代々こちらですわ」
「ですが私は」
「ええ、元々はベルファスト生まれで」
「父も母もそちら出身です」
「そうですわね」
「デューダー家の方はベルファストには縁がないですね」
メグの出身地であるこの街にはというのだ。
「さして」
「出張で行くことはあるでしょうが」
「それでもですね」
「血縁者がいるなぞは」
それこそとだ、エリザベスは答えた。
「そもそも当家では一夫一妻の考えが徹底していまして」
「不倫等はですね」
「考えられませんわ」
「実際にDNA検査をしてみたところ」
「貴女のご両親はそのままでしたね」
「はい、デューダー家の血はです」
それこそというのだ。
「入っていません」
「そうですわね」
「そこはわかっています」
「ただ顔が似ているだけですわね」
「髪の毛と目の色以外は」
「そうですわね」
見れば実際に二人の顔立ちはそっくりだった。
白い雪の様な肌に面長で顎が少し尖った顔の形に長い睫毛の瞳、高めの鼻、小さい紅の唇に象牙の様な歯とだ。全てそっくりだった。奇麗なカーブを描いた眉もエリザベスは金色でメグは茶色であるだけだ。
しかも背もだ、二人共一六二であり。
スリーサイズもどちらも上から八四、五七、八七である。脚の形まで同じだ。
「年齢までも」
「はい、十九歳で」
エリザベスは大学生でありメグは高校を卒業してこの屋敷にメイドとして採用されて住み込みで働いているのだ。
「誕生日は違いますが」
「何から何まで、ですわね」
「そっくりですね」
「
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