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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第34話:青春の華
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いのにッ!?」
「関係ないんだよ。他国のエージェントからしてみれば、未来ちゃんって子がシンフォギアの事を知っていようがいまいが。何しろ未来ちゃんを押さえちまえば芋づる式に響ちゃんが釣れる訳だからな」
これは奏には思い付かなかった危険性である。
奏にも、二課に所属して以降の学友は存在していた。ただし、当時の奏はノイズとウィズに対する憎悪なんかがあり学友との関係はそこまで深いものではなかった。交友は浅く、登下校は勿論休み時間に教室を跨いでまで交流する相手は存在しなかったのだ。
翼もそれは同様である。彼女の場合は奏とは勝手が違うが、それでも深く交流を持つ友人と言うものは存在しない。加えて彼女は奏と共にツヴァイウィングと言うアーティスト活動をしている為、それが更に奏以外の友人が出来ない事に拍車を掛けている。
ついでに言えば、奏は家族がすでに全員他界しており翼も親類はおいそれと手出しできない者ばかりなので、精神的な枷となる人物が2人には存在しない。
「でも響ちゃんは違う。例えば、何も知らない今の未来ちゃんを人質に捕られて、その事を誰にも知らせずに1人で何処かの倉庫に来い……って言われたら、響ちゃんどうする?」
颯人の問い掛けに、響は顔を青くして視線を泳がせた。飽く迄もIFの話なので、この場で答えを出す必要はないが実際にその時が来たら多分彼女は相手の要求通り1人で行動してしまうだろう。
ここで漸く奏も颯人が未来に全てを明かすべきという発言をした意味に気付いた。つまり、守られる側の人間にも守られていると言う自覚を多少なりとも持ってもらって、もしもと言う時に備えようと言う話なのだ。
「……でも、流石に響の周りは旦那がしっかり守らせるんじゃないのか?」
「そりゃそうだろ。寧ろそれ怠ってたら流石の俺も黙っちゃいないよ。当然やってはいるだろうけども、誰から見ても分かるくらいのアキレス腱なら本人にそれなりの自覚は持ってもらわんとって話」
その理屈で言うならば、響の親族も狙われる対象となり得るだろう。血縁である以上、未来と同等かそれ以上に可能性が高い。
颯人は後で弦十郎に確認を取っておくべきかと頭の中でメモしておいた。
「それじゃあ、やっぱり未来に全部話した方が……でも信じてくれるかな――?」
話すなら話すで、問題となるのはそこだろう。
普通に考えて、国家機密の対ノイズ兵器の使用者になってしまいました、なんて話を素直に信じるのは難しい。荒唐無稽に過ぎる。下手をすれば、出鱈目な作り話で誤魔化そうとしていると思われて逆に怒らせる危険性すらあった。
「そんなら、おっちゃんに一筆書いてもらうとかどうだ? 若しくは本人に話を付けに行ってもらうとか」
「……旦那を説得に行かせる気か?」
「それ
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