第六章
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「確実にだ」
「実を結んでいる」
「そうだというのですね」
「確かなものとして」
「そうだ、精鋭が揃ってきている」
山本は確かな声で言い切った。
「これ以上はないまでのな」
「航空機の乗員だけでなくですね」
「整備兵も指示を出す士官達も」
「その全てがですね」
「この戦力で戦う」
山本はまた確かな声で言った。
「そして皇国を護るぞ」
「我々も全力を出し」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「そうだ、何としてもな」
こう言ってだった、山本は航空隊の訓練を見守った。だが彼は戦争は何があっても避けたいと思っていた。
しかしそれは果たせずだった、遂に開戦となった。すると山本は苦い顔であったがある電報を打たせた。
「ニイタカヤマノボレだ」
「その電報をですね」
「ハワイに向かっている艦隊に送れ」
幕僚の一人にこう告げた。
「いいな」
「わかりました」
「宣戦布告直後にな」
「敵のハワイ基地にですね」
「機動部隊が攻撃を仕掛ける」
その彼等がというのだ。
「そして即座にだ」
「さらにですね」
「南洋に向かう」
そちらにも戦力を向けるというのだ。
「陸軍さんがフィリピン、マレーに向かうが」
「こちらはですね」
「援護だ、イギリスの東洋艦隊がシンガポールから出るが」
イギリスがアジアの植民地を守る為に置いているそれをというのだ。
「いいな」
「はい、彼等もですね」
「航空隊で倒す、いいな」
「わかりました」
「この時の為に鍛えさせたのだ」
山口にとだ、山本はさらに言った。
「その力見せてもらおう」
「彼等はやってくれますね」
「その為に鍛えさせたのだ」
地獄と言われた戦艦勤務の水兵達が驚くまでにだ。
「なら、だ」
「その結果を出してくれますか」
「出さない筈がない、見ているのだ」
その航空隊の活躍をとだ、山本は電報を打たせつつ言った。
遂に開戦となった、すると。
まずは真珠湾で、そしてマレー沖で。大日本帝国海軍航空隊は派手に暴れた。動きはまるで風の様であり攻撃も。
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