第四章
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「しかも速度もさらにだ」
「出しますか」
「その様に訓練していきますか」
「さらに」
「そうだ、そして急降下爆撃だが」
山口は今度はこちらの話をした。
「まだ命中率が低い」
「あの、今四割ですが」
山口の今の言葉に士官の一人が怪訝な顔で述べた。
「それでもですか」
「そうだ、低い」
山口はその士官に顔を向けて厳しい顔で答えた。
「四割ではな」
「急降下爆撃、海でのそれは」
どうかとだ、その士官は話した。
「命中率は一割で、です」
「高いか」
「そう言われていますが」
「イギリス海軍の言葉だな」
「あちらの」
「それは今の時点だ」
今現在のというのだ。
「だが訓練次第で変わる」
「それで、ですか」
「一割なぞ論外だ」
「そして四割でもですか」
「まだまだ低い、さらに訓練していけば」
それでというのだ。
「さらによくなる」
「だからですか」
「そうだ」
だからだというのだ。
「これ以上にだ」
「急降下爆撃もですか」
「上げていく」
「そうしますか」
「そうだ、そして爆弾を投下する高度もだ」
これもというのだ。
「高い」
「より低くですか」
「こちらもぎりぎりまでだ」
まさに攻撃目標にぶつかる直前までというのだ。
「急降下してだ」
「爆弾を投下してですか」
「命中させるのだ」
その様にしろというのだ。
「いいな」
「そこまでしますか」
「訓練をすればだ」
それだけというのだ。
「よくなるのだからな」
「それ故にですか」
「今はですか」
「さらに訓練をしていきますか」
「これまで以上に」
士官達はこれまで以上に驚いた、艦上攻撃も急降下爆撃も今の時点で最高点に達していると思ったからだ。
だが山口だけは違っていた、彼は言うのだった。
「敵に勝つ為には一騎当千でなければならないのだ」
「攻撃を確実に命中させる」
「そうでなくてはですか」
「そうだ、ならないのだ」
こう言ってだった、山口は航空隊に自ら先頭に立って訓練を行わせていたが。
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