第二章
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「戦車とかいう兵器よりもな」
「むしろ航空機ですね」
「そちらに力を入れているな」
「もう陸軍さん全体で」
「そこまでだな」
「陸軍さんのことですが」
それでもとだ、山口もまた陸軍に思うところがあるがそれは今はあえて言わずそのうえで山本に対して話した。
「よいことかと」
「そうだな」
「そしてです」
「我が海軍もだな」
「折角航空母艦を開発してです」
「艦載機もな」
「開発して」
そしてというのだ。
「製造もです」
「しているからな」
「戦艦もいいですが」
この艦艇の主力だけでなくというのだ。
「さらにです」
「空母もだな」
「はい」
まさにというのだ。
「航空機も」
「有力な武器になるか」
「私は確信します」
「その為には優れた性能とだな」
「乗員の質です」
これも大事だとだ、山口は断言した。
「航空機に乗る者、整備員に」
「空母の乗組員もな」
「その全てがです」
まさにというのだ。
「優れた者であれば」
「大きな力になるな」
「はい」
山口は山本にまた断言して答えた。
「そうなります」
「そうか、では空母のことは君に任せていいか」
「その訓練のことは」
「そうだ、私も航空機はな」
山本も今は飲んでいない、そのうえでの言葉だった。
「今は小さいが」
「先には」
「大きな力になると考えている」
「それ故に」
「技術畑の連中に優れた航空機の開発を頼むが」
それだけでなくというのだ。
「それと共にだ」
「乗員達の質も欠かせないので」
「そちらのことはな」
「私にですね」
「任せたい」
是非にと言うのだった。
「帝国海軍伝統の猛訓練で鍛えてくれるか」
「わかりました、では」
「そちらは頼む」
「必ず無敵の戦力を育ててみせます」
山口は山本に答えた、それからも料亭の美酒や馳走を楽しむがそれと共に軍の話もした。そしてこの時からだった。
山口は航空隊を鍛えだした、その鍛え方たるや。
戦闘機隊が編隊を組むのを見て怒って言った。
「遅い、やりなおしだ」
「もう十度目ですが」
「まだですか」
「かなり速くなっていますが」
「まだ遅い」
周りの士官達にも厳しい声で答える。
「だからだ」
「もう一度ですか」
「編隊を組ませる」
「そうしますか」
「編隊を組みことは基本だ」
山口は強い声で言った。
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