暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第30節「鏡に映る、光も闇も何もかも」
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目指しているはず……。合流できれば、このシロゴキブリ野郎がふんぞり返っているこの状況も──)

その時、警告アラートと共にモニターが海上を進む一隻の艦艇を映し出す。

「これは?」
「米国の哨戒艦艇デスか!?」

どうやら、海上からエアキャリアを捕捉しているらしい。

「バカな、ウィザードリィステルスは……まさかッ!?」
「こうなるのも予想の範疇。せいぜい連中を派手に葬って世間の目をこちらに向けさせるのはどうでしょう?」
「テメェッ!」

ウィザードリィステルスを発動する為に接続されていた神獣鏡のギアコンバーターが、制御装置から取り外されていた。

ウェルは始めから、哨戒艦艇に自分達を見つけさせるつもりだったのだ。

「そんなのは弱者を生みだす強者のやり方──」
「世界に私たちの主張を届けるためには格好のデモンストレーションかもしれないわね」
「マリィ──ッ!」
「私は……私たちはフィーネ……。弱者を支配する強者の世界構造を終わらせる者……この道を行くことを恐れはしない」

調の言葉も、ツェルトの声も遮って、マリアはそう言った。

自分に言い聞かせているかのような、そのいたたまれない様子に調は口を噤み、ツェルトは奥歯を思いっきり食いしばった。

ff

その頃、二課仮設本部ネオ・ノーチラスは、F資料に記された通りの海域……東経135.72度、北緯21.37度、沖ノ鳥島付近を目指し、潜行していた。

「それで了子くん、フロンティアとは一体……」
「フロンティア、それはこの海域の底に沈む超巨大遺跡に与えられたコードネームよ」

そう言って了子は、F資料の一部をモニターに映し出す。

「正式名称は『鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)』、日本神話に登場する天翔ける船。遥かな昔、カストディアンが異なる天地より飛来してきた際に用いた星間航行船のひとつと伝えられているわ。巨大な結界の内側に封じられてるから、通常の探査方法では知覚する事すら不可能ね」
「こんなにデカいものが日本国内に存在しながら、我々にさえ発見されていなかったのはそれが原因か……」
「だが、F.I.S.の連中は一体、その宙船で何を……」

弦十郎と翼の質問に答えるように、了子は別のページをモニターに出す。

「統一言語を取り戻すため、相互理解を阻害するバラルの呪詛を司る月の破壊を目論んだフィーネはあらかじめ、新天地となるフロンティアと、その封印解除に必要な神獣鏡、および動力源となるネフィリムを揃え、月破壊後の世界にて生じる重力バランスの崩壊への対応策も進めてきていた……」
「じゃあ、あの時の行動はやけっぱちなんかじゃなくて……」
「重力崩壊による世界危機の中、リンカーネイションによって再誕し、自らに付き従う者達をフ
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