第六十一話 大森林の先
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時は山だと思ったけど『遠見』で調べると、アレは山じゃなくて巨大な森だということが分かった」
「森……ですか。森にしてはとてつもなく巨大だ」
「そう100メイル級の木がウジャウジャと生い茂った巨大な森林だ、針葉樹林のジャングルと言って良い位の密度だよ。今じゃアレの事をそのまま『大森林』と呼んでいる」
「して、今回の遠征は、大森林の捜索なのですか?」
「あの一帯は進入禁止区域に指定している。詳しい事はフォート・ノワールの着いたら話す」
「御意」
ピッタリ三時間後、マクシミリアンら民兵軍は、フォート・ノワールに入り一夜の休息を取る事になった。
……
マクシム川中流のフォート・ノワールは、トリステイン人居住区としての小さな町としての役割と同時にヌーベルトリステインと未開の地との国境として機能していた。
『フォート』という名前の通りに砦が築かれ、衛兵が絶えず周囲に目を光らせていた。
今回の遠征は、マクシミリアン達はフォート・ノワールで一泊をし、フォート・ノワール周辺を更に広域に併合をする予定だった。
マクシミリアンは、ウルグや兵站スタッフ達と深夜まで打ち合わせをし、ようやく床に就こうと宛がわれた部屋に向かうと、部屋の前でアニエスが守衛をしていた。
「アニエス、遅くまでお疲れ様」
「殿下も、遅くまでご苦労様です」
アニエスに挨拶して部屋に入ろうとした時、マクシミリアンは思い出したように立ち止まった。
「確か、少し前に15歳になったんだったな。はい、誕生日おめでとう」
マクシミリアンは、アニエスの手の平にピンク色の貝殻を置いた。
「大した物じゃないが、はいプレゼント」
「あ、ありがとうございます……凄く嬉しいです」
「それじゃお休み」
「お休みなさい」
マクシミリアンは部屋に入り、廊下はアニエス一人だけになった。
「ん〜〜〜〜〜〜!!」
アニエスは、物音を立てない様に唸った。年頃の少女らしくプレゼントを貰うのが嬉しかったようだ。
一方、部屋の中のマクシミリアンはというと……ドアに耳を当て、アニエスの様子を伺っていた。
「喜んで貰えたようだ」
満足したマクシミリアンは、誕生日プレゼントに送られてきた、カトレアの手編みのセーターをパジャマ代わりに着替えてベッドに寝転がると途端に睡魔が襲ってきた。
「最近、睡眠時間少なかったっけな」
睡魔に抗う事はせず、マクシミリアンは深い眠りに落ちていった。
……
どれ位眠っただろうか。
夢の中でカトレアとイチャイチャしていると、ドアをノックされ夢から現実へと呼び覚まされた。
「あー……どうぞ」
マクシミリアンが
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