第六十一話 大森林の先
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よそっているティファニアを目配せした。
「エルフ……ですか」
「ミス・ヴァリエールは、エルフというだけで差別する人だったのですか? ティファニアはとっても良い娘ですよ」
表情を曇らせたエレオノールに釘をさした。
「……申し訳ございません」
「まあまあ、せっかくですので、ティファニアを紹介しましょう。彼女はとても優しく可愛い娘ですよ。先入観もきっと忘れますよ」
「……そうですわね」
エレオノールも断るわけには行かないので、しぶしぶ了承した。
……
マクシミリアンは、クラムチャウダーを持って帰ってきたティファニアにエレオノールを紹介した。
「ティファニア、この女の人はカトレア姉さんの姉のエレオノール姉さんだ。挨拶しなさい」
「始めまして、ティファニアです」
「始めまして、エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールよ」
二人とも挨拶をした。
が、エレオノールは、癖なのか語尾に圧力の様なものを感じ、その圧力を敏感に感じ取ったティファニアは涙目になった。
「ふぇ……」
「ミス・ヴァリエール。小さい娘に何をやってるんですか?」
「すすす、すみません」
「ティファニアも怖がらないで」
「ふぁい」
「ティファニアちゃんごめんなさいね」
エレオノールも言葉尻を柔らかくするように心がけ、その後、改めて挨拶しなおしその場は収まった。
マクシミリアン、エレオノール、ティファニアの三人は、テーブルを囲んでいた。
プライベートモードになったマクシミリアンは、エレオノールを義姉上を呼ぶようになった。
ティファニアは、まくまくとクラムチャウダーを食べていて、たまに溢したりするが、その時はエレオノールが口を拭いたりしていた。
「義姉上、今は何をされているのですか?」
「ミス・シュヴルーズに付いて、各地で地質調査をしています」
「ミス・シュヴルーズ……といえば、先月金鉱山を発見した『あの』、シュヴルーズ?」
「はい、その通りです」
シュヴルーズは、地質調査の為にヌーベルトリステイン各地を回り、金鉱山を始め多くの鉱山を発見し、その全てをマクシミリアンに献上した。
マクシミリアンは、その功績からシュヴルーズを改めて貴族に封じようとしたが『学者の方が性に合っている』と辞退した。代わり研究のスポンサーになり、シュヴルーズは研究三昧の生活をしていた。
「義姉上は、ミス・シュヴルーズの助手として十分な名声を手に入れましたし、帰国を考えてはどうでしょう?」
「……何か。お母様から言われましたか?」
「ん〜……」
マクシミリアンは少し考える素振りをした。
エ
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