53 一年生の頃
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そして、かよ子はアウトになってしまった。
「あ、ああ・・・」
かよ子は外野へ行った。その時、かよ子はまだ内野に残る杉山が必死でアタックを繰り出し、ボールを投げられても何とかキャッチするその姿。かよ子は見惚れてしまった。
「おうい、山田あ、ボール行ったぞ!」
「あ、うん、ごめん!!」
かよ子は慌ててボールを拾った。
(そうだ、杉山君にパスしよう・・・!)
かよ子は杉山に向けてボールを投げた。この時はなんとかおっちょこちょいをしなかった。ボールは見事杉山に渡ったのだ。
「サンキューなあ、山田!」
「う、うん!」
かよ子は杉山に言われて嬉しくなった。そしてかよ子はこの時、ますます杉山が好きになっていくのであった。
だが、話す事はできたものの、どう話しかけていいか分からない。話す理由も特にない。それにこんなおっちょこちょいではまともに相手なんてしてくれないだろう。結局自分にとって杉山は高嶺の花だった。
(杉山君とどうやって話せばいいんだろう・・・。普段から親友として接してる大野君みたいになれたらいいのに・・・)
かよ子は落ち込んだ。
そんな時、かよ子は担任の先生から頼まれたプリントを職員室から運んでいた所だった。その時、途中で二人組の男子がぶつかり、足を引っかけて来た。
「ああ!」
かよ子は転んでプリントが散らばった。
「ったく、どこまでもおっちょこちょいな奴だぜ!」
「気を付けろよな!」
「ご、ごめん・・・」
かよ子はプリントを拾った。その時、男子がプリントを踏みつけた。
「ああ、それは大事なプリントなんだよ!」
「へへ、取りたかったら取ってみろよ!」
「いやだ、足を放してよ!」
「るせえんだよ!」
かよ子は泣いてしまった。その時、助け人が現れた。
「おい、お前ら!」
「自分からぶつかって来たんだろ!?謝れよ!」
大野と杉山だった。
(す、杉山君・・・、大野君・・・!!)
「ああ、コイツがぶつかって転んだんだぜ。俺達は悪くないっつーの!」
「何言ってんだ!お前らがわざとぶつかって足引っ掻けたところを見てたんだぞ!」
「ああ!?」
その時、女性の先生が現れた。
「ちょっと、何してるの、貴方達!?」
「ちいっ、先生が来やがった!」
二人が去ろうとした。
「先生、こいつらがウチのクラスの女子にわざとぶつかって足を引っかけて転ばしたんです!」
杉山が告発した。
「何ですって!?」
もちろんこの男子二人は叱られた。大野と杉山はかよ子のプリント拾いを手伝った。
「す、杉山君、大野君・・・。ありがとう・・・」
「なあに、クラスメイトの一人なんだから、このくらいは当たり前ってもんだよ!」
「杉山君・・・。うん、ありがとう!」
かよ子は助けられる場面とはいえ杉
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