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レーヴァティン
第百五十六話 一騎当千の者達その六

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「このままでや」
「ええってことやな」
「そや、今はな」
 まさにというのだ。
「槍を突き出してな」
「そのままやな」
「そや、そしてや」
 そのうえでというのだ。
「防ぐべきや」
「それがいいか」
「確かに穂先を失った槍は攻撃力は落ちる」 
 このことは事実だとだ、美奈代も言う。
「しかしや」
「切った槍はそれでも障害になるか」
「それでな」
「ここはやな」
「槍は突き出したままでええわ」
 邪魔になっているのならというのだ、敵達への。
「そしてや」
「敵を寄せ付けないことか」
「接近戦したいか?」
 美奈代は術を放ちつつ久志に問うた。
「連中と」
「馬鹿言え、どう見たって連中はな」 
 まだ進もうとしてくる、今度は一点集中突破を仕掛けんとしてくるスパルタ兵達の方に攻撃を集中させつつ久志は美奈代に答えた。
「一番得意な戦い方は接近戦だろ」
「剣と盾でな」
「だからな」
 それでというのだ。
「今回はな」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「ここはな」
「敵さんポイント決めて集中攻撃に移ってるが」
「槍で防ぎつつな」
 それが穂先を切られていてもというのだ。
「そしてや」
「その攻めてくるポイントにか」
「こっちも攻撃を集中させて」
 そのうえでというのだ。
「退けるんや」
「そうすべきか」
「何しろこの状況でも進んできてるんや」
 スパルタ軍はというのだ、見れば実際に彼等は幾ら傷付いても進もうとしてくる。銃撃や砲撃も続けてきている。
「それやったらな」
「もうこっちもか」
「退ける為にな」
「敵が攻めてくるポイントをか」
「逆に守りを固めてな」
「それで逆に攻める」
「そうするんや」
 美奈代は目の前で攻めてきているスパルタ軍を見据えていた、そうしつつ久志に対して己の考えを話した。
「こうしてな」
「そうすべきか、じゃあな」
「そうしてくな」
「ああ、それが勝つ手段ならな」
 それならとだ、久志は美奈代のその考えをよしとして答えた。
「やってやるさ」
「そういうことや」
「それがいいね、しかしね」
 淳二もスパルタ軍を見ている、そのうえで言うのだった。
「本当に強いね、スパルタ軍は」
「全然退く気配ないな」
「うん、損害がまだ軽いせいもあるけれど」
「まだ戦おうとしてくるな」
「戦意も凄いね」
「話は聞いていたけれどな」
 それでもとだ、久志はこうも言った。
「実際に戦うとな」
「よくわかるね」
「戦も百聞は一見に如かずだな」
 久志はこの言葉も出した。
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