第百五十六話 一騎当千の者達その五
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スパルタ軍を攻める、そうして彼等の数を減らしていったが。
やはり思う様に減らない、それで遂にだった。
槍が届く距離になった、弓矢も使っているがそれでも数はあまり減らず久志は配下の兵達に強い声で命じた。
「槍だ」
「それを突き出して」
「そうしてですね」
「近寄らせるな」
そのスパルタ軍をというのだ。
「いいな、槍衾を作ってだ」
パイクでそうしてというのだ。
「近寄らせないでな、その後ろからだ」
「槍襖のですね」
「その後ろからですね」
「これまで通り鉄砲や矢や術を使ってな」
そうしてというのだ。
「倒していけ、いいな」
「わかりました」
「それじゃあですね」
「これからは」
「そうして戦え、しかしな」
久志はパイク兵達を前に出させる中でさらに言った、六メートル以上は優にある長い槍達が幾重にも出され敵を寄せ付けまいとしている。
「槍をこれだけ出してもな」
「これはね」
剛が横から言ってきた。
「スパルタ兵の強さだと」
「防ぎきれないだろうな」
「うん、普通はこれでね」
今から出す槍衾でというのだ。
「防げてね」
「そしてだよな」
「勝てるけれど」
「今回はな」
「何人槍で突かれてもね」
そうなってもというのだ。
「全身してくるし一人一人が多少以上に槍で突かれても」
「倒れないしな」
「レベルが高い分体力もあって」
その為にというのだ。
「それでだよ」
「中々倒れないな」
「もうそれこそね」
「何本も刺してな」
「兵の一人一人にね」
「それで術とか鉄砲とか矢も浴びせて」
「やっとだね」
まさにとだ、剛は達観した口調で久志に話した。
「倒せる位だろうね」
「そうだろうな」
「これまでも結構ダメージを与えてきているよ」
このことは事実だと話す、だがそれでもだというのだ。
「まだまだ余力があるよ」
「ったく、強い敵は厄介だな」
「そうだね、じゃあね」
「槍も突き出すか」
「何本もね」
敵兵の一人一人にというのだ。
「そうしていこうね」
「それじゃあな」
久志は剛の言葉に頷いてそうしてだった。
一切に槍衾の槍達をスパルタ兵の一人一人に突き出して刺していく、しかしその槍達もスパルタ兵達は。
剣で穂先を切ってくる、突き出す槍の速さよりも彼等の剣の方が速くそれで槍達の方が切られていく。
だがここで美奈代が言った。
「このままでええ」
「槍は突き出したままでか」
「そや、確かに穂先は切られてくが」
それでもというのだ。
「まだ槍は突き出されていてな」
「それでか」
「ああ、敵兵の進撃を防いでくれる」
「障害にはなるからか」
「障害になってるならな」
それならばというのだ。
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