暑気払いに夏を感じる1杯を・1
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剥いて、レンチンして柔らかくしたクリームチーズにワサビと醤油をチョイと垂らして和えるだけ。簡単だが、ビールに日本酒、ウィスキーなんかの洋酒にも合う万能おつまみだ。
「お〜♪美味そうじゃん!早くくれよぉ」
「待て待て、焦んなって。ほらよ」
小鉢に盛り付けたチーズ和えを受け取った長波が、早速とばかりに頬張る。茹でてホクホクとした食感になった空豆と滑らかなクリームチーズが、咀嚼する度に混じりあっていく。そこに醤油の旨味と塩気、そしてワサビの辛味がアクセントを添える。飲み込んで、味がまだ口の中に残っている所にビール。グビリ、グビリと喉を鳴らして黄金の液体を流し込んでいく。
「っかぁ〜!堪んないなぁこれは!」
「おっさん臭いぞ、長波ぃ」
「うっせぇなぁ、提督の影響だぞ?しかたねぇだろ」
そう言って長波は胸の内ポケットに入っていた『セブンスター』を取り出すと、1本咥えて火を点けた。
1本吸い終えた所で、長波が僅かに残っていたビールを飲み干す。
「お次はどうする?またビールにするか?」
「う〜ん、ビールもいいんだけどさぁ……なんかこう、暑いからこそ美味しいカクテルみたいなの無い?」
「まぁ、無い事もないが……」
「んじゃそれで」
「ざっくりな注文だなぁ……」
「まあまぁ、それだけ提督の腕を信用してんだって」
上手くはぐらかされた気がするが、まぁいいか。俺は冷凍庫から『ある物』を取り出した。
「んぉ?何だそれ」
「これか?クラッシュアイスを軽く握って丸くしたの。まぁ要するに氷の球だな」
「だったらいつものボールアイスでいいんじゃねぇの?」
「まあまぁ、これはこれで大事な使い道があるんだよ」
俺はその氷の球をソーサー型のシャンパングラスに入れる。
「あ、長波。何かける?」
「は?かける?何を?」
「こいつは仕上げにリキュールをかけるんだ。甘味の強いのがいいと思うぜ?」
「あ〜……んじゃあブルー・キュラソーで」
「あいよ」
俺はグラスに入れた氷の球に、キュラソーをかけていく。球の半分くらいが沈む位がオススメだ。後はティースプーンを添えれば出来上がり。
「はいよ、『リキュール・ボール』」
「ってこれかき氷じゃんかよ!」
そう、見た目はちょっとお洒落なシロップ多めのかき氷。だがこれはこれで多彩な楽しみ方の出来る1杯なんだぞ?
「まぁまぁ。まずは氷と混ぜずに、キュラソーだけ飲んでみな?」
「……あ、冷えてて美味しい」
まぁ、オンザロックみたいな物だしな。お次はスプーンで氷を食べる。
「ほんのりキュラソーの味がすんな」
「上からドボドボかけたからな。少し
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