第三章
[8]前話
「それにうちも幸せになったら」
「そうなの」
「これまでお父さんとお母さんよく喧嘩していたけれど」
それがというのだ。
「仲良くなったしね、いつもトッポを遊んで」
「そうなったの」
「私も食べもの美味しくなったし、部活も調子いいし」
「バスケ部の方も」
「トッポも福の神よ」
そのトッポにおもちゃを出しながら言う、するとトッポはそのおもちゃを興味深そうに見て前足を出している。
「我が家のね、ただね」
「ただ?」
「あんたみたいに彼氏は出来てないわ」
奈央はこのことは残念そうに述べた。
「残念だけれど」
「そうなの」
「そう、このことはね」
「まあそれは縁だから」
「誰か紹介してくれるかしら」
トッポと遊びつつ万友美にこうも言った、見れば万友美は万友美でレタスを撫でていてレタスは喉をゴロゴロと鳴らしている。
「いい人ね」
「そう言われてもいないし」
「そうなの」
「ちょっとそれは縁ってことで」
「トッポが招いてくれるの待つの」
「そうしてね」
「やれやれね」
奈央は万友美の返事に困った笑顔になった、だがその間もトッポと遊び続けている。そうしてこうも言った。
「猫っていいわね」
「そうよね、いてくれるだけでね」
「幸せにしてくれるし」
「それで幸せも招いてくれるから、多分ね」
万友美は奈央ににこりと笑って話した。
「笑う門にはっていうでしょ」
「福来たるね」
「猫は人を笑顔にさせてくれるからね」
「それで幸せが訪れるのね」
「そういうことじゃないかしら」
「そうかもね、じゃあトッポこれから宜しくね」
「レタスもね」
二人はそれぞれの飼い猫達に笑顔を向けた、するとそれぞれの猫達は飼い主達に一言鳴いて応えた。その声に二人はまた笑顔になった。
自分も飼って 完
2020・5・28
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