第二章
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「凄くね」
「大変なの」
「そうなの、けれど何かね」
「何か?」
「レタスがお家に来てからいいことばかりなのよ」
幸せ、それが訪れているというのだ。
「ご飯私の好きなものばかりだし、ハンバーグとか海老フライとかカレイの煮付けとかほうれん草のおひたしとか」
「そうなの」
「それにお父さんもお母さんも身体の調子いいっていうし」
家族にもいいことがあってというのだ。
「ネットでも猫の話題で盛り上がって」
「ネットでも?」
「そう、6ちゃんでも板があって」
「ああ、ペット関係の」
「それでね、本当にね」
万友美は奈央ににこにことして話した。
「いいことばかりよ」
「猫ちゃんがお家に来ただけでなの」
「そうなったのよ」
まさにというのだ。
「これが」
「じゃあ若しかして」
奈央はここまで聞いてふと思った、それでその思ったことを万友美に言った。
「レタスちゃんは福の神かしら」
「そうかも知れないわね」
万友美も否定しない、笑っての返事だった。
「本当に」
「そうなのね」
「この一週間幸せよ」
「そこまで幸せが続くなら」
それならとだ、奈央は万友美にこうも言った。
「彼氏出来たりお父さん出世してお給料上がって」
「暮らしがもっとよくなるとか」
「そうなるとか」
「流石にそこまではね」
ないとだ、万友美は笑って言った。だがこれがだった。
万友美の父は働いている会社で課長から部長補佐に昇進しそこから給料も上がった。そして万友美自身もまた。
何と交際相手が出来た、ここで奈央は言った。
「よし、私も猫飼うわ」
「そうするの?」
「だってあんたがレタスちゃん来て幸せなのよ」
今奈央は万友美の家にいる、そしてそのレタスを見つつ言うのだった。レタスは万友美の部屋で二人が囲んでいるテーブルの上で丸くなっている。
「それならね」
「猫ちゃん飼って」
「幸せになって」
そしてというのだ。
「彼氏もね」
「ゲットするのね」
「そうするわ」
こう言ってだった、奈央は家族と話してボランティア団体が飼い主を募集している保護されている猫を拾った。その猫はというと。
足首と鼻から顔の下が三角に丸くなっている雄の黒猫だった、奈央はその猫をトッポと名付けて飼い始めたが。
万友美を自分の家に呼んで笑って話した、万友美はレタスを連れている。
「家のあちこち壊したり引っ掻いたりね」
「レタスと一緒ね、そこは」
「ニャン」
レタスはそれが悪いかという顔で一声鳴いた、万友美はそのレタスを見ながら奈央に対してさらに話した。
「もうやんちゃでね」
「ええ、けれどね」
「可愛いでしょ」
「そうなのよね」
そのトッポを見つつ万友美に答えた。
「これが」
「ニャンニャン」
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