第28節「消えた陽だまり」
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を打ち落とすには能わず、黒煙を抜けた2体が迫る。
風を切って向かってきたのは、一筋の赤矢。
そして銀色の盾だった。
「大丈夫かッ、お前らッ!」
「純ッ! 雪音ッ!」
「そいつらは任せたッ!」
自らを抱えて走って来た純の腕から飛び降りると、跳躍したクリスは空中で宙返りして着地した。
「あいさつ無用のガトリング ゴミ箱行きへのデスパーティ One,Two,three 目障りだああぁぁぁッ!」
〈MEGA DETH PARTY〉
発射されたミサイルが宙を乱舞し、迫りくるノイズを先制する。
(少しづつ何かが狂って、壊れていきやがる……あたしの居場所を蝕んでいきやがる……ッ!)
空中より標的を貫こうとしてくるフライトノイズを走りながら躱し、アームドギアをガトリング砲へと変形、先ほどのミサイルよりも広範囲にブッ放つ。
「撃鉄に込めた想い あったけぇ絆の為──」
〈BILLION MAIDEN〉
(やってくれるのは、どこのどいつだッ! ──お前かッ! お前らかッ!?)
砲撃の為に移動を止めた隙を突くように迫るノイズ。
しかし、それも跳躍で回避しながら撃ち砕き、着地と同時に振り返って頭上の群れも撃ち抜いていく。
(ノイズッ! あたしがソロモンの杖を起動させてしまったばかりに……。何だ……悪いのはいつもあたしのせいじゃねぇか……)
ガトリングとミサイル、一斉掃射で空を覆い尽くす災厄の悉くを葬りながら、クリスは己がかつて犯した過ちに苛まれる。
(でも……あたしは──ッ!)
だが、今の彼女はかつてと違う。
自分のせいで……以前の彼女であればそう感じた時、誰にも迷惑をかけないよう、自分の居場所を手放そうとしただろう。
しかし、今の彼女にその選択肢はない。
彼女の居場所を脅かすとは即ち、彼女に寄り添う少年の怒りを買うということ。
彼女の居場所を指し示し、導き、迎えに来てくれる彼の存在は、クリスに逃げない勇気を与えていた。
「もう逃げなぁぁぁーーい!!」
〈MEGA DETH FUGA〉
両肩から展開した二機の大型ミサイル。
ほぼチャージなしで他の技とも併用できるそれを、空中を浮遊している二体の空中要塞型ノイズへと向けて発射した。
「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……」
空中要塞型ノイズから誘爆し、スカイタワー上空を覆い尽くしていたフライトノイズは、瞬く間に全滅した。
「クリスちゃん……」
息を切らして膝に手をつくクリスの隣に駆け寄り、純は肩を貸した。
「お疲れ、クリスちゃん」
「ああ……。でも、あたしらは……」
クリスは泣き崩れる響と恭一郎の方を見ながら、目を伏せる。
「間に合わなかったのか……私は……
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