第27節「繋ぐ手と手…戸惑うわたしのため…」
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たケースが展開し、グローブと一体になったレバーが飛び出す。
レバーを握り、一旦押し込むと、グローブは左腕にピッタリ装着される。
そのまま展開個所を起こしながらレバーを引くと、先ほどまでケースだったそれは、RN式Model-GEEDのプロテクターへと形を変えた。
流石にいつものプロテクターで出歩くのは目立つため、現地装着用に開発されたMark-Xを持ち出してきたんだが……なるほど、悪くない。
トニー・スタークの気分が味わえる。
「転調・コード“エンキドゥ”ッ!」
エンキドゥを起動させながら、階下へと飛び降りる。
一体どれだけのノイズが召喚されているか分からないのが厄介だが……必ず辿り着くッ!
「待ってろマリィ!」
俺は階段を一気に飛び降り、そして……。
「ッ!? お前らは……ッ!?」
「ッ! 見つけたぞ、本国を裏切ったシンフォギア装者だッ!」
銃を構えた米兵達と出くわした。
ff
その頃、マリアはナスターシャ教授を肩に担ぎ、迫りくるノイズを蹴散らしながら進んでいた。
ツェルトの予想通り、取引は破談だった。
異端技術の情報が入ったチップを渡した瞬間、米国のエージェント達はナスターシャ教授とマリアに銃を向けた。
始めから取引に応じるつもりなどなかったのだ。
しかし、その窮地を脱するきっかけは、皮肉にもノイズの出現だった。
ウェル博士が差し向けたノイズは、エージェント達を瞬く間に残らず殺し、その結果マリアに聖詠を口ずさむ余裕が生まれたのだ。
そして現在、マリアはノイズと応戦しながら逃走経路を探していた。
ノイズが無差別に襲ってくるこの状況。
おそらくウェル博士は、どこか離れたところから高みの見物を決め込んでいるのだろうと推察しながら、マリアは走り続ける。
そこへ、エレベーターから降りてきた米兵達が発砲してきた。
「誰がためにこの声、鳴り渡るのか? そして誰が為にこの詩は在ればいいか──?」
マントを前面に展開し、銃弾を弾く。
前列の二人をマントによる殴打で薙ぎ払い、そのまま走って接近。
残る三人の顔に飛び蹴りと、もう一度マントによる殴打をくらわせ突破する。
「マリア……。待ち伏せを避けるため、上からの脱出を試みましょう」
扉を蹴破り、非常階段を駆け上がる。
一方、彼女らが目指す最上階の展望デッキでは……新たな悲劇が幕を上げようとしていた。
ff
「ほらほら、男の子が泣いてちゃ、みっともないよ?」
「みんなと一緒に避難すれば、お母さんにもきっと会えるから大丈夫だよ」
「大丈夫ですか? 早くこっちへ、あなた達も急いでッ!」
小日向さんと立花さんが連れてきた、母親とはぐれてしまった男の子を、職員さんが抱いて階
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