第三十五話 それぞれの誓い
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ない…散々危険なミッションに向かわせておいて今更何を言ってるんだと思うかもしれないけど…あなたに死んで欲しくないのは私の本心だから……」
「…………」
「死なないでね?モデルVを破壊出来なくてもいい。セルパンを倒せなくてもいい…あなたさえ、生きていてくれたら…死なないで、お願い…ヴァン…」
ヴァンの手を両手で包みながら懇願するプレリーにヴァンも空いた手でプレリーの手を包み返した。
「当たり前だろ、死ぬつもりなんかない。俺は全てのイレギュラーを倒して…こんな下らないゲームを企んだ奴を倒すまで死ぬわけにはいかないんだ…エールや先輩…運び屋やガーディアンのみんな……そして…プレリー…お前を守るためにもだ」
「ヴァン……」
「何度でも約束する。必ず全てを片付けて帰ってくるってな」
「ええ…」
プレリーはヴァンの耳元に顔を近付かせると、ヴァンにしか聞こえないくらいの小声で呟く。
「………?何だ?名前か?」
「ええ、私が“プレリー”になる前に…お姉ちゃんが幼かった私に名付けてくれた私の本当の名前……ヴァン…あなたを信じるわ…あなたが帰ってくるまで何時までも待ってるから…約束よ。絶対に、帰ってきて…あなたに…私の本当の名前を呼んで欲しいの…」
いくら鈍感のヴァンでもここまで言われれば流石に気付く。
こういう時に何と答えればいいのか分からないが…。
「…………ああ、分かった。お前の本名…帰ったら言うよ」
今はこれしか言えなかったが、プレリーはそれで頷いて名残惜しそうにブリッジに戻っていった。
「…………負けるわけにはいかなくなったな…セルパンにも…そしてこいつにも」
今でも自分の体を乗っ取ろうとするモデルO。
プレリーの元に帰るためにはセルパンとモデルOに勝たなくてはならない。
ヴァンはエールが来るのを待つ。
一方、ジルウェに連れられたエールは甲板に出て最初にジルウェの体調を尋ねた。
「こんな風の強い場所にいたら体に良くないんじゃない?」
「年寄り扱いするなよ。これくらい平気だ」
「そう、なら良いけど…何?話って?」
「いや…な…本当に強くなったなエール…最初は俺が守ってやろうとしていたのに…今じゃお前はこの国の希望だ。」
初めて会った時はヴァンにしがみついて泣いていた小さな女の子が今やこんなにも強くなった。
嬉しいと思う反面、寂しいと感じる。
「あはは、本当に前のアタシは弱かったもんね…アタシ…ジルウェには感謝してる…ジルウェに助けられて、たくさんのことを教わって…いつも傍にいてくれて…アタシが頑張れたのも…ジルウェが見守ってくれてたからなんだよ」
「そうか…」
微笑むジルウェだが、意を決したエールがジルウ
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