疾走編
第二十八話 余波
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艦隊司令になる事が決まっている。そしてピアーズ司令が新エル・ファシル警備艦隊司令官になるわけだが、ピアーズ司令は今の分艦隊司令部の面子をそのまま艦隊司令部に持ってくるらしい。となると私が分艦隊司令となっても参謀がいない事になる」
「確かにそうですね…でもピアーズ司令が自分の参謀を連れて来ると言う事は、私やイエイツ少佐は自然に大佐の下に移るのではないのですか?」
「いや、参謀の数に定数は無いんだ。だから、君達はそのままここに残る事になる」
うーん…ピアーズ司令の事嫌いじゃないし、彼の参謀達もいい人達なんだけどなあ…
「ピアーズ司令はイケイケだが常識人だし、いい指揮官だと思っている。彼の下で働くのは決して悪い話ではない。だが分艦隊の参謀を引っこ抜かれるのは少しやり辛いものがある。このままだと本隊の司令部機能は強化されるが、私も新任、参謀も新任では私の率いる分艦隊の司令部機能は半減以下だ。私だけ行って他所から新しい参謀を引っ張ってくるとなると尚更だ。どっちみち機能低下、というのなら少しでも気心の知れている者の方ががいい。どちらかでも来てくれると助かるのだが」
確かにシェルビー大佐の言う事は尤もだ。ハイネセンにいる正規艦隊ならともかく、最前線じゃそんなに再編成に時間はかけられない。
「なるほどなあ。確かに司令部がみんな新任じゃ分艦隊のクセも分からない。どうせ分からないなら勝手のわかっている人間同士の方がいいですよねえ。私は行っても構いません。どうする、ウィンチェスター?」
「私も同様です」
「そうか。二人共ありがとう。いや助かった。でも本当にいいのか?しばらく休養に入るから、返事はその後でもいいんだが」
「構いません、どうせなら慣れ親しんだ上官のほうがいいですからね」
「そうですね、私もその方が気が楽です」
「そうか。いや、本当にありがとう。ところで休養中は二人共実家に戻るのか?」
「はい、しばらく家内や子供にも顔見せてないんでジャムジードに戻ろうと思います」
「私はエル・ファシルに残ります」
「いいのか?移動時間は休暇日数と別枠だから気にせんでいいんだぞ?」
「休暇日数よりハイネセンとの往復日数の方が長いんじゃ、休んだ気がしませんよ。それより、呼べるなら呼んで欲しい奴がいるんですが」
「ほう、誰だ?」
「後輩なんですが、アンドリュー・フォークという奴です。少し気難しいですが、優秀ですよ」
「今はどこにいるんだ?」
「士官学校出てから連絡とってないんで、調べておきます」
「了解した」
艦隊は先日の戦いで受けた損害を復旧する為に人員補充と修理、休養に入る。ピアーズ、マクガードゥル分艦隊はまだ哨戒中だが、我々の穴埋めをするために第三艦隊がエル・ファシルに来るそうだ。
大佐にはああは言ったけど、実際はハイ
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