第三章
[8]前話
「本当にかつてはです」
「酷い目に遭っていたんですね」
「そうでした」
まさにというのだ。
「ですからお家で飼われるには」
「じっくりとですね」
「愛情を注がれて」
そのうえでというのだ。
「飼われて下さい」
「7わかりました」
ジミーは獣医の言葉に頷いた、そして。
獣医が言う通りに犬、雄だった彼にジェシーと名付けてだった。
アリソンに対するのと同じだけの愛情を夫婦で注いだ、するとだった。
ジェシーは二人それにアリソンに次第に懐きそうして。
家族の一員となった、その彼に散歩に行くかと声をかけた。
「行こうか」
「ワン」
ジェシーも笑顔で応える、そのうえで。
一緒に散歩に行くとここでだった、家のドアを閉めたその人とばったり出会った。ジミーは自分からその人に声をかけた。
「あの、貴方はドアを閉めた」
「あのお家の人ですか」
「防犯カメラに映っていました」
彼にこのことを話した。
「あの時はすいません」
「何もなかったですか」
「幸いに」
「それは何よりです」
「あの時のお礼です、うちに来てくれたら」
ここでだ、ジミーは。
自分の店のことを話した、そうして彼に笑顔で告げた。
「ビールとステーキをです」
「それをですか」
「奢ります」
「悪いですね」
「これはお礼ですよ」
彼の良心に対してのとだ、こう言ってだった。
ジミーは彼にお礼をした、その彼ヘンリー=オデルセンというサイト作成をしている彼とは縁が出来て親友になり。
彼との付き合いもはじまった、それでジミーは家でメアリーに言った。
「ドアを閉め損ねたのは僕の失敗だけれど」
「もう二度としないでね」
「そのことはね、けれどね」
それでもとだ、妻に話した。
「親友は出来てそれに」
「ジェシーもね」
「来てくれたからね」
「とんでもないミスだけれど」
それでもというのだ。
「そこから思わぬ宝物が手に入るなんて」
「それも二つも」
「そうなったことは」
それこそというのだ。
「とてもよかったよ」
「そうね、じゃあ今からね」
「ジェシーにご飯をあげましょう」
「そうだね、今からね」
「ワンワン」
その話を聞いたジェシーはリビングのソファー、二人がはじめて彼を見たそこからだった。
嬉しそうに降りてドッグフードとミルクを貰った、そしてそれ等を尻尾を振りつつ食べて飲んだ。二人はその彼を見てから今度はアリソンにミルクをあげた。二人は愛犬と我が子を見て心からの笑顔を浮かべた。
ドアを開けてから 完
2020・5・27
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