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ドアを開けてから
第二章

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 それを見るとだった。
 夫は確かにドアを閉めたが。
 充分ではなく夜の突風で開けた、結局夫はミスを犯していた。だがその後で。
 犬、今リビングにいるその犬が入って来た。妻は早送りにしているそれを見ながら夫に対して言った。
「犬のことはわかったわ」
「ああ、嵐だったからな」
「お家の中に逃げ込んだのね」
「そうだな、ボロボロだしな」
「野良犬ね」
「そうだろうな、それに雑種か」
「そうみたいね、このことはわかったわ」
 犬のことはというのだ。
「丁度うちには犬いないし」
「番犬にもなるしか」
「丁度いいわ、飼いましょう」
 うちでというのだ。
「そうしましょう」
「銃もあるけれどな」
 護身用でだ、これもアメリカだからだ。
「犬もいると余計にいいからな」
「じゃあね」
「アリソンの遊び友達にもなるし」
「この子のことは決まりだな」
「ええ、ただ扉がまた閉まったのはどうしてか」
「そのことね、観ていきましょう」
 防犯カメラの映像をとだ、それでさらに観ているとだった。
 ドアの前に眼鏡をかけた黒髪の一九〇はある痩せた男が出て来た、そしてだった。
「誰かいますか?不用心ですよ」
「この人は」
「誰かしら」
 二人はその人を見ていぶかしんだ、だが。
 その眼鏡の男はドアを閉めてから去った、それを見て二人は納得した。
「親切な人が閉めてくれたんだな」
「いい人ね」
「若し悪い奴が来たら」
「嵐だったからその可能性は少なかったけれど」
「それでもな」
「危なかったわね」
「この人のお陰だな」
 ジミーは自分のミスだったこともありしみじみと思った。
「本当に」
「そうね、会ったらお礼を言わないとね」
「是非な」
「じゃあこの子は」
 その犬を見てだ、メアリーはジミーに話した。
「後で動物病院に連れて行きましょう」
「そうするか」
「お店開く前にね」
 レストランをというのだ。
「間に合わない様ならあなたが先にお店に行ってね」
「その時は頼むよ」
「それじゃあね」
 夫婦でこう話してだった、飼うと決めた犬を病院に連れて行くと。
 ここでだ、犬は随分と二人を警戒していた。だがその犬を何とか捕まえてそうして動物を運ぶ為のボックスに入れてだった。
 病院に運ぶと獣医はどうかという顔で言った。
「身体中に酷い怪我がありますね」
「そうですか」
「どうしていたか知らないですが」
 それでもというのだ。
「この子は随分とです」
「これまで、ですか」
「酷い目に遭ってきたみたいです」
「そうですか」
「それで今凄く怯えて威嚇していますね」
「それを見ますと」 
 非常にというのだ。
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