第二章「クルセイド編」
第十五話「お尋ね者 フェイト・テスタロッサ」
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。騙せるとでも思ったか?」
気難しい顔のままエドワードは低く唸った。
「ならお互いに隠し事なしで行こうや。その方がお前にもよさそうだ。」
「僕がそれにのってやる道理は無い。」
「その足でか?」
…それだけが問題だった。もし足さえ動かせればこんな所早々に別れを告げてどこか別の場所に行く事を目指しただろうが。ままならない物だ。だがエドワードは意外なことを言った。
「悪い、今のは失言だ。忘れてくれ、患者の怪我治すのが医者だ。その患者がどんな奴だろうと。」
「なに……?」
「今の話は無しで良い。患者でいる内はお前とフェイトちゃん達の安全は俺が保障する。」
「患者でいる内は、か。」
「ああそうだ。」
暗に話せと言っているのだろう。クルセイドはただでさえ厄介な土地。そこで何の後ろ盾もなしに生きていく事はきっとできない。いや僕だけなら何とかなるだろうがフェイトとアルフがそこに加われば…いやどちらか一人でも危うい。それをこの男は見越している。
…だがこんな回りくどい手を使う必要は本来は無い。この聡い男がそれに気付かないとは思えない。
だとしたらそれはこの男の医者としてのプライドか。それとも優しさか。
僕は其処に賭けて見ることにした。
「いいぞ、話してやろう。」
「なに?」
「貴様がそう仕向けたんだろう?」
「まあそうとも言うが…意外にあっさりしてるな。」
「そう思うならお前から話してくれると助かるんだがな。」
髪を書き上げて、まっすぐに医者を見た。彼は何となく気まずそうに目を逸らして一言。
「先に言っておくが俺は一味の一員じゃあねえぞ。」
本当にただちょっとした縁があっただけ。エドワードもそれだけで光から堕ちていった者だった。
「なあ、リオン。目の前に極悪な犯罪者がいたとするよ。お前はどうする?」
「どうするって…」
「ソイツを捕まえるか?」
リオンは直ぐには答えられなかった。
エドワードは極悪な犯罪者と言った。それはエレギオ・ツァーライトの事なのだろう。
決して悪人とは言わなかった。
「俺は、あろうことかソイツに興味を持ったのさ。何でそんな事をやってのけたのか…俺はその時大学を出て医者になったばっかりだった。人の命云々ってな…重いとか軽いとかまるで知りもしなかったんだよ。」
「…エレギオ・ツァーライトの初犯は管理局要人の殺害だったな。」
「詳しいな、プレシア・テスタロッサから聞いたのか?」
「まあそんな所だ。」
本当の所「プロジェクトF・A・T・E」について調べる過程でリオンは知ったのだが。否定するのも面倒でそう言った。エドワードもそれで納得したのか深くは追求せずに話を続けた。
「俺は興
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