第二章「クルセイド編」
第十五話「お尋ね者 フェイト・テスタロッサ」
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ロード。」
「いや、まだ終わってないだろ、帰るまでが戦いだ…ジャック。」
最後は通信機に向けて言った。
「もう準備はできてる。ずらかるぞエレギオ。」
「早くしないと置いてくぜぇ。」
「おいおい、そりゃ勘弁だっての。」
そう言って最後にもう一度船内を見た。罪悪感などは感じない。
そんな物感じても今更どうしようもない。もう引き返せない所の…その最果てまで行っている。
だがー
「………チッ。」
俺は転移魔法で輸送船プルートを脱出した。
「コイツを見ろ、リオン。」
なんだ、と車椅子の上で言った。
「これはフェイトちゃんだよな?」
銀髪のとても優しい医者は…それでも似合う険しい顔をしてリオンに新聞を突きつけた。
反管理局連合日報。「プレシアの娘のクローン現れる 至急捕縛されたし」
そんな見出しがでかでかと載っていた。
至急捕縛されたし。
口の中で僕は反芻した。
「エドワード。」
「俺の事をそう呼ぶのはお前だけだぜ…何が聞きたい?」
「これは何の冗談だ?」
エドワードは悲しげに笑った。
「冗談だと思うか?」
到底思えない。僕はこの次元世界の情勢を知ってしまっていた。どこでどうやってフェイトの事を醜い山犬が掴んだのかは知らない。だが反管理局連合とプレシアの間でいざこざがあったというのは誰でも知っている常識。
…それをフェイトにも擦り付けるのか。
「反管が追ってるってことは間違いなく管理局も追ってる。」
「だろうな。」
車椅子の上で、エドワードに新聞を投げ返した…正直なところ引き裂かなかった自分を褒めてやりたい気もする。
「けどこれはそれだけじゃねえよな。『お前』、何を隠している?」
………ここまでか。いや、だがその前にせめてこれは。
「このことはあいつらには?」
「伝えてねえ。もっとも時間の問題だろうけどな。」
「そうか、じゃあお前が僕に言った事をそっくり返そう。お前…いや、お前達は何を隠している?
次元宇宙賊ツァーライト一味のお得意様の医者らしいな、エドワード・クリスティ。」
結局の所闇医者と言うのは当たっていたのだ。気付かない振りを保ちつつ治療を受けていたが…こうなってしまえばもうなりふり構っている事はできない。
ピクリとエドワードの太い眉が動いた。
「………訳知りじゃねえか。」
「最初に貴様はエレギオの名前を一瞬だけ出したな。そんなにいる名前じゃない。決定的だったのはジャック・サリヴァンが居たことだがな。」
「ジャックの顔は手配書にはないぜ。エレギオと違ってあの名前はそこら中にいるのに名前だけで推測したのか?」
「操縦士、指のタコが手袋越しでもわかるくらいの
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