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ツンデレ犬
第二章

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「しないわよ」
「そうなのね」
「絶対にね、けれどあんた本当にね」
 それでもとだ、またポチに言った。
「私にだけその態度なのね」
「・・・・・・・・・」
 そう言われてもだ、ポチは。
 美香をそれで?と冷めた目で見て欠伸をして昼寝に入った、尚撫でても他の家族なら喜ぶが美香がそうしてもふんぞり返っている。
 それを見てだ、また言うのだった。
「全く、不愛想ね」
「本当に美香ちゃんには懐いてないわね」
 母も言う、とにかくだった。
 ポチは美香に懐いていない、それでだった。
 美香はいつもポチには文句を言っていた、そうして日常を送っていたが。
 美香は最近毎日学校の帰り道にポチを散歩に連れて行っている母と会っていた、それで母にも夕食の後で尋ねた。
「何かね」
「何か?」
「最近お散歩の時にいつも会うわね」
「ええ、何かね」
「何か?」
「ポチが最近ずっと歩くのよ」
 それでというのだ。
「それこそね」
「そうなのね」
「それで美香ちゃんの姿見たら」 
 そうすればというのだ。
「家に帰るのよ」
「だからいつも会うのね」
「そうなのよ」
「何でよ」
 美香はその話を聞いて母に言った、スマホのゲームをしながらだが今はどちらかというと母の話に重点がいっている。
「私の姿を見たらなのよ」
「それはポチに聞いたら?」
「犬に聞いてもわからないでしょ」
 人の言葉を喋らないからだ。
「それじゃあ」
「美香ちゃんに何かあるとか」
「家でもクラスでも部活でも平和よ」
 部活はかるた部である、中々強い。
「これといってね」
「何もないのね」
「ないわよ」
 実際にというのだ。
「私はね」
「そうなのね」
「近所に不審者出るってお話もないでしょ」
「別にね、ただね」
「ただ?」
「最近この辺り性質の悪い人面犬が出るっていうわ」
「人面犬って」
 美香は母の話にまさかという顔で返した。
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