第26節「安らぎ守る為に孤独選ぶより」
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被害を抑えられる手だとマムは言っていた。だが、当初の目的に照らし合わせて、それは矛盾でしかない。あいつらが、不都合な事実を知る裏切り者を生かしておくものかッ!」
「じゃあ、助けろってのは……」
「ああ。マムとマリィを助けたら、お前ら二課に投降するよう頼んでみるつもりだ。だから──」
「……俺は行くぜ」
弦十郎が答えるより先に、翔は即答した。
「叔父さん、構わないよな?」
『ああ。人命が懸かっている以上、悩んでいる暇はない。俺が許可するッ! 行ってこいッ!』
弦十郎の頼もしい言葉に、そして何より、迷わず即答してくれた翔に、ツェルトは思わず頭を下げた。
「風鳴翔……恩に着るッ!」
「翔でいい。フルネームじゃ長いだろ、ジョセフ」
その言葉に、ツェルトは顔を上げる。
「……ツェルトでいい。ニックネームの方が通りがいいだろ?」
「なら、ツェルト。よろしくなッ!」
そう言って、翔は開いた右手を差し伸べる。
ツェルトは一瞬迷いながらも、左手を差し出した。
「握るなら、生身の方の手にしてくれ」
「お、おう……。じゃあ──」
翔はツェルトの左手を硬く握り、握手を交わす。
ここに、二人の友情が確かに結ばれた。
──と、その時、基地内にノイズ出現のアラートが鳴り響いた。
『スカイタワー周辺に、ノイズのエネルギー反応を検知!』
「なんだとッ!?」
その瞬間、ツェルトの脳裏に浮かんだのは……今、この状況で最も損をする男の顔であった。
「お前の仕業か……ドクター・ウェルぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!」
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