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おっちょこちょいのかよちゃん
52 夢を叶える為に
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力が宿してあるというのか。そしてこの男子も今後の計画に支障をきたす恐るべき存在だと房子は警戒するのであった。
「でも、剣が手に入っただけでもよしとしましょう」

 かよ子は長山と電話していた。
『そうか、同盟を組んだんだね』
「そうだよ。ごめんね、会わせてあげられなくて」
『いいよ、こっちもちょっと小春が体調崩しちゃったからね』
「小春ちゃんは今は元気になったの?」
『ああ、明日は一緒に家族で静岡のデパートへ行くつもりだよ。小春にもそこのレストランでご馳走するつもりでね』
「そっか、楽しんでね」
『うん、じゃ、またな』
 かよ子は電話を切ると、東京へ戻った杯の所持者を気になった。
(りえちゃん、どうしてるかな・・・?)
 その時、御穂津姫が現れた。
「山田かよ子ちゃん」
「御穂津姫?!」
「お疲れ様でした。杯の所持者との同盟を見事に組まれましたね。これからさらに戦いは激しくなりますが、必ずこの結果は良い方向へと導かれるでしょう」
「う、うん」
「それでは」
 御穂津姫は消えた。
(戦い、か・・・)
 かよ子は考える。そういえば長山は御穂津姫から杖、護符、杯と同等の強さを持つ剣が日本赤軍に奪われてしまったと伝えられた。御穂津姫の言う通り、激しい戦が始まるだろう。だが、たとえそこでおっちょこちょいしようが、必ず元の日常を取り戻す。かよ子はそう誓った。
(それにしても、杉山君・・・)
 かよ子は好きな男子に若干嫉妬する。杯の所持者と喧嘩したり、能力を試したり、それでもどこかりえを気にしているような感じだった。そう考えているうちに、まる子達が遊びに来た。
「かよちゃ〜ん、遊ぼ〜」
「う、うん!」

 夕日が映る中、皆はりえの事を考えていた。
「りえちゃん、今頃どうしてるんだろう?」
「もう東京に着いてる頃だろうね」
「きっとピアノの練習してるんだろうな」
「それにとても可愛かったしね」
 杉山はリフティングしながら言う。
「ああ、あいつならきっとなれるさ。すっげえ気の強えピアニストに・・・」
 この時、かよ子は杉山の顔が赤いのを確認した。夕日のせいか、それとも、彼女に惚れているのか・・・。
(りえちゃん、私にとって恋のライバルかもね・・・)

 東京の家に帰ったりえはら自宅のピアノに清水の友達からの寄せ書きを飾った。
「りえ、寄せ書き書いてもらってよかったわね」
「うんっ!」
 りえは杉山の大きく書かれたメッセージを見た。そこには「絶対に夢、叶えろよ!」とあった。
(杉山君、私、やっぱり杉山君が好きになっちゃったかもねっ・・・)
 そしてかよ子のメッセージを見る。「絶対にこの世界を守ろうね」と書いてある。
(そうよねっ、折角同盟を組んだんだもんねっ・・・)
 りえは信じていた。今
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