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【完結】RE: ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第3章 奪われし聖なる剣
第14話 力への意思
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 そういえば、ボクの母は、クリスチャンだった。なぜ忘れていたのだろう。
 思い返してみれば、洗礼こそ受けてはいないものの、母に連れだってよく日曜のミサに出席していた――ような気がする。


「覚えていなくて、すまないね。紫藤さん」
「幼稚園のころだしね。忘れていても仕方ない、か。あらためまして、紫藤イリナです。よろしくね」
「こちらこそ、よろしく。八神はやて、だ。神器の保有者として、いまは、グレモリー家の庇護下にある」

「あれ?おばさまたちは、どうしたの?」
「ああ。いまから説明するよ――」


 はぐれ悪魔に両親が殺されてからの経緯を説明し終えると、彼女は憤慨した様子だった。
『悪魔ゆるすまじ』と、表情にありありと書かれていて、苦笑してしまう。


「ねえねえ。なら、わたしたち――天使陣営に入らない?強力な神器を保有しているなら、優遇されると思うわよ」
「いや、今の生活が気にいっている。父や母の思い出があるこの町を離れたくないしね」
「そっか。それなら、仕方ないわね。気が変わったらいつでもいってちょうだい」


 天使、ね。ボクは神も魔王も、もはや存在しないことを知っている。
 現在の魔王サーゼクス・ルシファーも、悪魔側の代表を務めているに過ぎない。
 神の不在――これも、原作知識によるものだ。
 居もしない神に祈る気にはならない。


――――いや、むしろ神が、存在しているからこそ、敬う気にはなれない


 神も天使も存在しているにもかかわらず、世界から悲劇はなくならない。
 現に、ボクの両親を神は助けてくれなかった。


 こじつけかもしれない。
 けれど、彼女がいう「神」とは、数ある神話勢力で最大の力をもつ「聖書の神」のことだ。
 最大勢力のトップというだけで、数ある神の一柱――いや、一人に過ぎない。
 唯一神などと自称しているが、方便にすぎない。


 ボクは知っている。
 眼の前の少女たち――紫藤イリナとゼノビアが神の不在を知り、衝撃を受けることを。
 たったそれだけのことで、信仰心が揺らぐことを。
 ボクからすれば、存在する神に祈るほうがおかしいというのに。
 ちなみに、ゼノビアは、紫藤イリナの隣で沈黙を保っている。


――――人間だけが神をもつ


 神とは超越者であり、人の理解の及ばぬ存在であるべきだ。
 断じて、一派閥の領袖ではない。
 この世界では、ボクの考えこそ異端なのかもしれない。
 だが、違和感がぬぐえないのは、やはりボクが前世の知識を持つからだろうか。 


 まあ神学論など学者に任せればいいことだ。
 信仰は一人一人異なるのだから、ボクがどうこういうべきではないだろう。
 それに――いままさに由々しき問題が
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