聖杯戦争
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気は無い。他をあたってくれ。まどかちゃん、もう行こう」
吐き捨てて背を向ける。だが、それは想定内だったのか、キュウべえはそれが予想内だったのか、告げた。
『それは君の自由意志だ。でも、注意したほうがいい』
キュウべえの視線が、ハルトからほむらへと映る。見上げれば、さっきまでキュウべえへ向けられていた銃口が、ハルトに照準を合わせていた。
まどかと同じ、見滝原中学の制服。そんなありふれた外見の手先に、非合法の拳銃があるのは、アンバランスに思えた。
キュウべえがいないなら、狙いはこちら。そう、彼女の目が語っていた。
『彼女が君を襲わないのは、ここでの戦闘を禁止しているからさ。君がマスターでなくなっあ瞬間、ボクが君を守る理由もなくなる』
「……」
最悪ソードガンで腕を切り落としてでも、という考えは、後から考えると余りにも無謀だった。
キュウべえは続ける。
『もう一度言うよ。聖杯戦争のルールは簡単さ。マスターとサーヴァントが協力して、他のマスター、サーヴァントを全滅させる。そうすれば、聖杯により、どんな願いでも叶えられる。シンプルだろう?』
「願い?」
『そう。暁美ほむらも、そのために戦っているんだろう?』
キュウべえはほむらへ問いかける。ほむらは無言を貫き、それが肯定であるとハルトは受け取った。
『サーヴァントとは、英霊。それが君に力を貸すのさ。強化したければ、命を捧げればいい』
「は? 命?」
『君のものでも。他者のものでも』
キュウべえの目が妖しく光る。ハルトはため息をついて、
「そういうこと。願いを叶えるために犠牲を強いろと」
『願いとは、代償の上に成り立つ。その犠牲を糾弾するのは、理不尽では無いかい?』
「……」
『もっとも』
キュウべえの目が、再びまどかへ向けられる。
『どうしても聖杯戦争を止めたいなら、方法そのものはあるよ』
「黙りなさい」
再びほむらがキュウべえを睨む。だが、キュウべえは続けた。
『そのために君を連れてきたんだ。鹿目まどか』
「え? わ、私?」
これまで蚊帳の外だったまどかが、驚いて自分を指差す。キュウべえは頷き、
『そう。僕は本来、聖杯戦争の監視役ではなく、魔法少女を選ぶ妖精なんだ。魔法少女になったら、魔女とよばれる邪悪と戦う使命を課せられる。その代わり、僕は君の願いを何でも一つかなえることができる。当然』
「黙りなさい!」
ほむらの発砲。しかし、それをひょいと避けたキュウべえは、祭壇の上で語る。
『この聖杯戦争そのものを止めることもできる』
「えっ?」
「その必要はないわ」
そう告げるほむらは、そのまま銃口をまどかへ向けた。息を呑むまどかへ、ほむらは冷たく言った。
「
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