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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第25節「混沌のラメンタービレ」
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か癪に障る拍手の癖は……」
「シンフォギア・システム、素晴らしい力だ。そして、適性の薄い君達に力を授ける、僕の改良したLiNKERも……」

ツェルトが顔を顰めて振り返ると、声の主……件のドクター・ウェルは、切歌の肩や調の耳を撫でるように触っていた。

無論、彼は天才であり、少々エキセントリックな性格をした英雄願望持ちという奇人ではあるものの、決してロリコンではない。
触れているのは彼女らではなく、纏っているギアの方なのだろう。

……もっとも、絵面はどう見ても変質者のそれであるのだが。

「この力を以てすれば、英雄として世界に……んふふふふふふ……」

思いっきり、虫を見るような目でウェルを睨むマリア。だがツェルトはその程度では、ウェルは気にも留めない。

それをよく知っているツェルトは、思いっきり溜息を吐いてから口を開く。

「二人に触るな、ロリペドクター。他の連中に言いふらすぞ?」
「なぁッ!? 誰がロリペドですか! この僕の名誉に傷をつけるつもりですか?」
「今更傷付くような名誉があるのか? 顔だけはいいアーニム・ゾラ、くらいの扱いが妥当だろ。こんなところで幼女に手ぇ出してないで、とっとと陰気臭い研究室に戻ってお薬の研究でもしてたらいいんじゃないですかね、ミスター・ロリペドクター?」
「ホンットカチンと来ますねぇ! いい歳こいて子供向けコミックが手放せないオタボーイのクセに、生意気なんですよ君は!」
「マーベルコミックの何が悪い! あれは聖典だ! 俺の人生はあれに育まれたといっても過言じゃねぇんだよッ! この三流子悪党系マッドサイエンティスト!」
「僕は英雄だッ! そして天才だぞッ! 凡夫の一人に過ぎない君には分からないでしょうけどねぇ! この全頭髪若白髪ボーイ!」
「お前にゃ言われたかねーよ!!」

気付けば少々幼稚な口喧嘩の応酬になってしまっているものの、ウェルの手が二人から離れる。
その隙に調と切歌はそそくさとウェルから離れていった。

(確かに、ドクター・ウェルは私達がギアを纏うのに必要なLiNKERを調整できる数少ない人材。マムの処置だけなら、医療班のドクター・アドルフの方が信用できる。でも、聖遺物研究とシンフォギアへの理解を鑑みれば、ウェル以上の適任は居ない……)

ツェルトとの口喧嘩を続けているウェルを見ながら、マリアは考える。
この光景だけであればまだギリギリ親しみが持てそうに見えなくもない……かもしれない。

だが、彼が時々見せる狂気を孕んだ笑みは、見るものの嫌悪感と不安を掻き立てる。

(本当に、こんな男を味方に付けなくてはいけないの? その為に、調や切歌を……何よりツェルトを騙さなくてはいけないの?)

迷い続けたものの、他に道はない。
結局マリアは今の結
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