三十六 主従
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ああ、これ?猫又と会ったのは、空区と呼ばれる場所でね。忍具の販売を密かに営む闇商人の一族が住まう場所なの。そこで購入したモノよ」
空区とは、どの国や里にも属していない廃墟群だ。
そこを支配しているのは忍相手に忍具の販売を密かに営む闇商人の一族。
闇商人の一族を率いるのは忍猫たちの頭目の老婆である猫バアである。
猫バアを始めとした彼らが営む店は忍社会においても屈指の取り扱いの店だと、シカマルもヤマトも知っていた。
そこで買った忍具だと、普通の忍具よりも一際鋭利で頑丈に違いない。
ちょっとやそっとでは破壊できない鎖。
ナルを拘束するソレを壊そうと、シカマルとヤマトは印を結んだ。
だが、それを邪魔するように猫又が爪を振るう。
「くそ…!!」
猫又の爪の猛攻を避けながら、シカマルはナルへ手を伸ばす。
視線の先では、鎖で引き寄せたナル目掛けて、サクラが鎌を振り上げていた。
「やめ、」
「忍具使いはテンテンの専売特許でしょ。人の得意分野、勝手に使うんじゃないわよ、ばかサクラ」
刹那、ナルとサクラの間に、影が割り込む。
薄い金色のポニーテールが陽光の下で踊った。
ブツ、と切れた音がしたかと思うと、サクラは眼を見開く。
普通の忍具よりも頑丈である鎖。
砕かれてバラバラになって散ってゆく鎖を、信じられない思いで眺めていたサクラの頬を、凄まじい衝撃が襲った。
「が…!?」
吹き飛ばされる。
猫又の頭上から転落しかけ、なんとか踏みとどまったサクラは自分を殴ってきた相手をキッと見返した。
「──いの…」
「どうやら、私のことは憶えててくれたみたいね?ばかサクラ」
ナルの手首を縛っていた鎖。それをあっという間に粉砕した山中いのは、ポニーテールを軽く揺らす。
五代目火影・綱手に弟子入りしたいのは、師匠譲りの怪力を宿す拳をプラプラ振った。
「い、の…?」
「サクラ相手だからって気を抜いちゃダメじゃない、ナル」
ナルの手首を縛る鎖を即座に粉砕したいのは、猫又の頭上で降り立つと、真下へ呼びかけた。
「シカマル────!!ナルのこと、よろしくっ!!」
「え…お、おい!!」
猫又の巨躯から放り投げられたナルを、シカマルがわたわたと受け止める。
無事にシカマルに抱き留められたナルを視界の端で認めながら、いのは拳をゴキリと鳴らした。
「アンタをぶん殴ってでも里に連れ戻すって決めてんのよ、こっちは」
「もう殴ってるわよ!!」
腫れあがった頬を手で押さえながら、サクラが立ち上がる。殴られた拍子に口内を切ったらしい。
ぷっと血を吐き出すと、サクラはいのをじろっと睨み据えた。
「久
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