Mission
Mission2 アステュダメイア
(2) バー「プリボーイ」~ドヴォールの路地
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「何のつもり?」
ルドガーとエルだけ店外に押し出して自身は残ったユティに、リドウは問いかける。
この小娘を見ているとイライラする。邪魔されたことはもちろん、毛色やメガネがユリウスに似ているからかもしれない。
「アナタもエージェントよね。アナタを雇いたい。報酬は治療費の余りの500万ガルド」
「クランスピア社トップエージェントに仕事の依頼ねえ」
「受けなかったらさっきの幼女暴行及びに恫喝の証拠品をクラン社人事部に送りつける」
「うわお。ここまで堂々と脅迫されたの俺初めてだよ」
「ワタシもヒトを脅迫するのは初体験」
リドウはカウンター席に戻って頬杖を突いた。
現実問題、先ほどの写真に大した威力はない。リドウが「そういう」エージェントだと上は知っていて黙認している。だから、この小娘の依頼とやらを受ける受けないはリドウの心一つだ。
「依頼内容は――ユリウス・ウィル・クルスニクの抹殺」
ユリウスの抹消。意味を理解するまでにリドウは2拍使った。
そして、腹を抱えて大笑いした。
ルドガーたちが夜のストリートに出ると、ちょうどジュードが電話を終えたところだった。
「ルドガー! ごめん、話し込んじゃって、なかなか中に戻れなくて」
「ホントだよ! もうちょっとでエルもルドガーも借金まみれにされるとこだったんだから!」
「ナァ〜!」
「ええ!?」
「あー…」
とりあえずルドガーが説明する。みるみるルドガーの表情は厳しくなった。
「クランスピア社の人だから信用したのに、そんな人だったなんて――」
「正直、ユティが立て替えてくれなかったらヤバかった……ってあれ、ユティ?」
後ろから付いて来ているものと思っていたのに、いない。
「――ユティって何者なんだろうね。2000万ガルドなんて大金、ポンと出せる額じゃないのに。しかも小切手にあらかじめ書いてあったなんて、まるでルドガーがお金に困るのを見越してたみたいだ。ルドガー、本当に知り合いじゃない?」
「ない。あんな女、一度会ったら忘れられるもんか」
カメラ関連の小悪魔さはもちろん、ユリウスそっくりの蒼い瞳。会っていたなら絶対に忘れない。
「これからどうするの?」
ひょこ。ルドガーとジュードの間からモグラよろしく噂のユティが現れた。「うわあ!」とルドガーとジュードもさすがにのけぞった。
「どうも。一度会ったら忘れられないほうのユティです」
「ユティ! どこ行ってたんだよ、付いて来ないから心配したぞ」
「ヤボヨー。で、この先の方針、決まった?」
「カナンの地! エルはカナンの地に行かないと!」
思い出したとばかりに飛び跳ねるエル。ジュードがふとこちらを見て、親切に説明してくれようとし
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