キャスター
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「これ程度の魔力で」
吐き捨てたキャスターは、全身から黒い光を放っていた。それは瞬時に水の鎖を溶解する。
「これもダメかっ!」
しかしもう止まれない。スラッシュストライクを振るったウィザード。
だが。
「……私には及ばない」
これまで数多くのファントムを斬り裂いてきたスラッシュストライク。それがキャスターには、右手で簡単に受け止められた。
「そんな?」
「次はこちらから」
キャスターは、左手に拳を固める。それは、闇の光を宿す拳。本がめくられる音が、ウィザードを戦慄させる。
「不味い!」
逃げようとするウィザードだが、いつの間にかキャスターのソードガンを掴んでいた手は、そのまま左手を塞いでいた。
逃げられない。そう判断したウィザードは、右手だけで指輪を持ち替え、ベルトを起動。
『リキッド プリーズ』
文字通り体が液体に溶ける。おおよその物理攻撃に対しては無敵になる魔法で拳を受け、
拳から爆発した魔力により問題なくダメージを受けた。
「ガハッ!」
まどかの近くまで転がされるウィザード。まどかは「大丈夫ですか」と声をかけた。
「え……なんで君、まだ逃げていないの? 危ないよ!」
「でも……ハルトさんが!」
「咎人たちに、滅びの時を」
そう冷たく告げられたのは、キャスターの声。すでに宙に浮く彼女は、右手を掲げ、呪文を唱えている。
「星よ集え 全てを撃ち抜く光となれ」
その口上の通り、夕方の空に、無数の星が出現。それら全てが、瞬時にキャスターの元へ集まっていく。
その色は、それまでの彼女とは正反対に、桃色の光。
その魔力の量。それを見たウィザードは確信した。魔力に秀でるサファイアだからこそ確信した。
「あれはまずい! 本当にまずい!」
後ろにまどかもいる。魔力量に秀でるウォーターのディフェンドだけではとても足りない。
『フレイム プリーズ ヒー ヒー ヒーヒーヒー』
慌ててルビーのウィザードにスタイルチェンジ。そしてすさかず、最大火力の指輪を使う。
『チョーイイネ キックストライク サイコー!』
足元に生成された魔法陣より、右足に炎の魔力が集まっていく。
しかし、キャスターがまだ完成途中の光の星と比べると、とても足りない。
「まどかちゃん! 離れて! 急いで!」
鬼気迫る怒声に、ようやくまどかは背を向けて走り出す。
さらにウィザードは、右足に火力が高まっていく途中であろうともおかないなしに、次の指輪を使う。
『ビッグ プリーズ』
これを通せば、キックストライクも大きくなり、攻撃力も上がる。
だが、まだ足りない。
『ビッグ プリ
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