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夢幻水滸伝
第百三十五話 中国軍の反撃その七

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「おはんの動きも見えるでごわす」
「まさかと言いたいが」
「わかるでごわすな」
「禁鞭をここまでかわすからな、それに」
 魯は黒麒麟の背から言った。
「おいらは元々格闘向きの職業やない」
「そうでごわすな」
「幻術師や、幻術が一番得意やが」
 それがとだ、北原に苦い顔で言葉を返した。
「自分にはな」
「おいどんは幻術への耐性が強いでごわす」
「自分自身がな」
「そうでごわすから」
 だからだというのだ。
「おはんの幻術は凄いでごわすが」
「それでもやな」
「おいどんには見えるでごわす」
 幻術で惑わされず真の状況がというのだ。
「幻ば見せようと」
「そやな、そうやと」
 切り札の幻術が使えないならというのだ。
「おいらとしても辛いわ」
「術と神具にば注意して」
 その二つにというのだ。
「戦っていくでごわす」
「課題出来たわ」
 魯は北原を見据えて言った。
「幻術の腕もっと上げんとな」
「いかんと」
「そのことがわかったわ」
 今まさにというのだ。
「ほんまにな」
「そうでごわすか」
「おいらもまだまだ修行が足りん」
 魯はこうも言った。
「ほんまに」
「ではこの戦の後も」
「修行や、幻術の方もな」
「心から応援するでごわす」
「よろしゅうな、しかしな」
「それでもやな」
「この一騎打ち、この状況でも勝つ」
 右手の禁鞭に加えて左手には混元傘も出した、敵のあらゆる攻撃を弾き返す神具でこの一騎打ちでも使ってきた。
「何としてもな」
「それはおいどんも同じこと」
 北原も自身の神具鬼の金棒を両手に持ち応えた。
「おはんは強か、だからこそ」
「勝つっていうんやな」
「強かモンに勝ってこそ薩摩っぽでごわす」
 こう言ってだ、自分から魯に向かった。魯も黒麒麟を駆って前に出た。
 魯は禁鞭を前に激しく何度も繰り出した、鞭が唸りそうして一撃で山も砕くそれが北原を襲う。
 北原はその鞭を紙一重でかわし金棒で防ぎつつ突進する、防ぐがそれでもかわせない一撃もありダメージは受ける。
 だが突進の速度は緩まない、そうして。
 黒麒麟に乗る魯の前に来ると跳んだ、そのうえで彼の頭を割ろうと金棒を振り下ろした。しかしその一撃に。
 魯は分身で応えた、彼は咄嗟に幻術で目くらましにそれを出したのだ。
 北原はどちらが本物か即座に見破った、だが一瞬どちらか戸惑った。その為本物の魯への一撃がほんの少しであっても遅れた。
 攻撃は浴びせた、しかし魯はその一瞬の遅れに混元傘を繰り出しそれで致命傷を避けた。それでだった。
 魯は何とか黒麒麟の背にいた、しかしその一撃は大きくそれで自分の前に着地した北原に対して言った。
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