暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十七話 全てを知る者
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
宇宙暦791年3月17日10:00 ヴァンフリート星系、ヴァンフリート[、
EFSF旗艦リオ・グランデ ヤマト・ウィンチェスター

「報告します。ピアーズ分艦隊、九百二隻。うち、修理を要する艦艇三百七十二隻。マクガードゥル分艦隊、八百七十五隻。うち、修理を要する艦艇二百八十隻。本隊、千八百四十六隻。うち、修理を要する艦艇五百六十八隻。降伏した帝国艦艇、千二百四十六隻。うち、自力航行可能な艦艇は八百三十三隻です」
「…激戦じゃな。味方の損傷艦艇のうち、応急修理で戦力発揮可能な艦艇はどれ程かの」
「はっ…九百八十隻です。すでに応急修理は開始されております」
「うむ。イエイツ少佐、応急修理の終わった(ふね)からピアーズ、マクガードゥルの両分艦隊に回せ。二人には再編成終了後報告せよと」
「はっ。了解いたしました」
「シェルビー大佐、艦隊陸戦隊を帝国艦艇に移乗させろ」
「了解しました。砲口は塞がせますか?」
「無論じゃ。暴れられては叶わんからのう」
「そうですね。既にエル・ファシルにはこちらに捕虜迎えの輸送艦と補給艦を寄越すよう、手配済みです。航行不能な帝国艦艇ですが…」
「可哀想じゃが、沈める。…捕虜がこの場を去ってからじゃ」
「了解しました。輸送艦と共に後送する損傷艦艇の指揮ですが、どうなさいますか」
「君に任せよう」
「ありがとうございます。エル・ファシル到着後、ただちに修理にかかります。…まもなく敵艦隊の司令官が到着します」
「了解した」

 うむ。何もする事がない。戦闘中も休息について進言したくらいで何もやってない。やっぱり出来る人の下にいると楽だなあ。将来のヤン艦隊もこんな感じなんだろうか。ヤン艦隊の司令部のみんなは座って戦況を観てたしな。あれはかなり羨ましい。
シェルビー大佐は後送する損傷艦艇と捕虜を連れて一足先にエル・ファシルに戻るし、イエイツ少佐はその損傷艦艇の修理の為の書類作成と、各艦から上がってくる補給要望の振り分けに入っている。
俺は…俺は?
「ウィンチェスター大尉」
「はっ」
「戦闘記録の作成を頼む。カヴァッリ大尉に手伝って貰うように」
「了解しました」
「あと、敵艦隊の司令官が到着したら、引見を頼む。要領はもう解っとるじゃろ?」
「了解しました。ですが、私などでは階級が釣り合わないのではないのでしょうか?」
「無論、儂も会う。その後じゃ。本当に麻薬密売に関わっとるのか調書を取らねばならんでな。関わっとらんのであれば亡命という形も認められようが、関わっとるのであれば、捕虜にもなれん。犯罪者じゃ。憲兵隊に引き渡さねばならんでの」
なるほど、そういう事か。
「了解いたしました。必要な資料を揃えて尋問の準備をいたします」
「うむ。哨戒第一配備とせよ。一配備ではあるが交替で休息も可とする
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ