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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第三十話
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「――お嬢様の目が覚めるまで、できる限り傍に居てあげてください」


「え……?」


「きっとその方が、お嬢様もすぐに目を覚ましてくれると私は思っていますから」


上手く理解できないままの僕にロックスさんはそう言うと再び飛び、医務室の扉の前まで行くと此方に振り返った。


「―アンジュ様やメリア様には私から話をして、今回の探索には衛司様は一緒に行けない事はもう伝えてありますから。…お嬢様を宜しくお願いしますね」


「ぁ……うん」







ロックスさんの微笑ながらも何処か真剣な表情に、僕は頷くとロックスさんは一礼して医務室を出て行った。


「……僕が傍にいた方が目が覚める、か」


ロックスさんが居なくなり、再び顔を眠るカノンノへと向けると、先程のロックスさんの言葉を思い出し自然に口から出してしまう。


「……カノンノ…遠い目標かもしれないけど…僕は皆を…カノンノを守れるくらい――強くなりたい」


目の前で眠り続ける少女の手を握り、僕は言葉を漏らしていく。彼女に今届いているかは分からない。ただ、自分の目標を口に出した。




―――――――――――――




「――……ん…寝ちゃってた…かな…?」


ふとゆっくりと目を開き、ぼやけた視界を目で擦る。どうやらカノンノの看病をしている間にいつの間にやら寝てしまったみたいだ。カノンノに悪い事しちゃったなー…。
そう思い、いまだに眠っているだろうカノンノへと視界を向けると…。


「――おはよう、衛司」


にっこりと笑顔を浮かべたカノンノが此方を見ていた。


「カノンノ……目が覚めたんだ…良かったぁ」


「うん。まだちょっとクラっとするけどなんとかね。衛司のおかげだよ」


カノンノの様子に僕は一安心していると、カノンノは少し苦笑を浮かべながらそう応えた。
僕のおかげ…か……。


「――衛司……?」


「ごめん…僕はキミが言うほど役に立ててないよ。だって……」


「…自分は強くない、から…?」


「っ!?」


僕の言い掛けた言葉を繋げたカノンノに驚いた表情を浮かべる。なんで……



「…眠ってる時にね、うっすらだけど…衛司の声が聞こえてね…。
ねぇ、衛司……『強さ』って、何?」


「え……それは……」


カノンノからのその問いかけに思わず口ごもってしまう。


「…誰かが倒れた時に落ち込む事?誰かの背中を追い越すこと?…違うよね。少なくとも…私が知ってる『強さ』は…衛司が教えてくれたから、今の私が居るんだから」


「…僕が……?」




「うん
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